甲状腺検査の利点と欠点「知らなかった」5割超

 

 東京電力福島第1原発事故後、県内の子どもたちを対象に実施している甲状腺検査を巡り、県が実施したアンケートで、検査のメリットとデメリットを「知らなかった」と回答した対象者の割合は16歳以上18歳未満が58.4%、18歳以上が56.5%でいずれも半数以上を占めた。県が2日、福島市で開いた県民健康調査検討委員会で報告した。

 検査について、県は安心につながることや、早期診断や治療により再発のリスクなどを低減する可能性があるとしている。一方、将来的に症状やがんによる死亡を引き起こさないがんを診断して治療する可能性などをデメリットとして示している。検査のメリットを「知っている」と答えた16歳以上18歳未満は34.7%、18歳以上は38.1%だった。

 両年代とも、今後も甲状腺検査の受診について「受診するつもりがある」と答えた割合が43.5~59.4%で最も高く、理由としては「異常がないと分かると安心できる」がいずれも70%ほどだった。「放射線への不安がある」の割合は35.4%~39.3%だった。

 一方、「受診するつもりがない」と答えた人は「放射線への不安がない」「卒業して学校での検査がなくなった」「前回の検査で安心できた」などの理由が上位だった。

 対象者が16歳未満、16歳以上18歳未満の場合は保護者にも回答を求めており、メリット、デメリットを「知っていた」はそれぞれ55.1%、58.1%だった。

 アンケートは、検査への理解度を把握するため、昨年8月に初めて実施した。対象者やその保護者1万6000人を対象に無作為で行い、回答率は計22.8%だった。

 委員会はアンケートの結果を今後の検討の参考にする。座長の重富秀一双葉郡医師会副会長は「しっかりとした情報提供が大切だ。県民の不安に寄り添う役割を続けていきたい」と述べた。