生活の脱炭素行動でポイント付与 福島県が新年度から実施

 

 県は新年度、日常生活の中で環境に優しい「脱炭素型」の行動をすることでポイントがたまり、一定以上で電子マネーなどに交換できる新規事業に乗り出す。気候変動が自然や産業、暮らしに幅広く影響を及ぼす中、二酸化炭素(CO2)の抑制に県民一人一人の意識を向け、行動の積み重ねで温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指す考えだ。2024年度当初予算に関連経費4400万円を盛り込んだ。

 県によると、公共交通の利用など脱炭素に有効な行動を取り、スマートフォンでレシートなどを読み込むと、県の環境アプリにポイントがたまる。一定以上ためたポイントは、一般の各種電子マネーや地域で使えるデジタル商品券、特産品などに交換できる方向で調整を進める。ポイントの利用を地域活性化につなげることも念頭に置く。

 ポイント付与の対象行動はほかに▽エシカル(倫理的)消費▽電気自動車の利用(充電)▽再配達の削減▽プラスチックごみの削減―などが候補に挙がっている。

 ポイントの付与数は、県民の意欲喚起につながるよう今後検討する。堺市が本年度実施した先行事例では「飲料購入時のマイボトル利用」に200ポイント、「シェアサイクルの利用」に250ポイント、「フードドライブ活動への食品の寄付」に800ポイントなどと設定。2月末まで実施期間を設けたが、好評で予算の上限に達し、既に終了した。

 気軽にお得に参加促す

 県が今秋の制定を目指す「県カーボンニュートラルの推進等に関する条例(仮称)」は県民、事業者、来県者らの「責務」として努力義務・配慮規定を明示する方向だ。責務の一部をポイント付与の対象行動にすることで、環境に優しい生活様式の浸透を図る。

 環境省によると、国内のCO2排出量の約6割は、衣食住を中心とする日々の暮らしに由来するという。アプリでは、利用者の行動がどれだけCO2を減らしたかも表示する見込み。排出量削減効果の「見える化」を通じて、脱炭素への気付きを得やすくする。

 県は「日常生活で選択した小さな行動がCO2を削減し、やがて大きな成果を生み出す。気軽に参加してもらえる事業を構築したい」(環境共生課)としている。