大熊→鹿児島の教育長に 木村さん「ロケットの町」肝付町へ

 
「地方から教育を変えたい」と語る木村さん=大熊町・学び舎ゆめの森

 前大熊町教育長の木村政文さん(65)が、鹿児島県肝付町(きもつきちょう)教育長に就く。全国で少子化が課題となる中、「地方から教育を変えたい」と木村さん。東日本大震災からの教育復興や全国の教育DX(デジタル変革)に携わった経験から「多様性を大事にした教育を進め、思いやりの心と郷土愛を持った子どもを育てたい」と新天地での抱負を語る。就任は4月1日付。

 肝付町は鹿児島県の大隅半島に位置し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内之浦宇宙空間観測所がある「ロケットの町」として知られる。現在の教育長は文部科学省出身の上久保秀樹さん(50)で、小中学生に情報端末を配備する文科省のGIGAスクール構想を進めてきた。上久保さんの任期満了に伴い、後任に木村さんを起用する人事が昨年12月議会で同意を得た。

 教育長は地元の校長経験者が務めるケースがほとんどで、異例の人事となった。肝付町教委は、人口減など課題先進地の本県被災地で教育行政に関わった木村さんの手腕に期待を寄せている。

 木村さんは浪江町出身。双葉高、福島大教育学部卒。1981年に教諭採用。醸芳小(桑折町)福浦小(南相馬市)の校長、県相双教育事務所長などを経て、2019年4月から大熊町教育長を務めた。

 教育長在任中は町の新たな教育施設「学び舎(や)ゆめの森」の開校へ力を注いだ。東京電力福島第1原発事故で一時全町避難した町の再生には学校を地域の基盤とし、子どもの活力が必要だと考えたからだ。地域に根付いた教育を再構築するため、少人数教育や探求学習、大人の学び直しといった先進的な取り組みを進めた。

 併せて、経済産業省の産業構造審議会教育イノベーション小委員会委員として教育DXの推進に向けた学習環境の整備などについて議論した経験がある。木村さんは「歴史や文化を受け継ぎながら、新しいものを取り入れる考え方は大熊と肝付に共通する。よそ者の視点で臨みたい。歴史的つながりが深い福島と鹿児島の交流も広げたい」と意欲を見せる。