「ラムサール登録」25年夏実現へ協力 県と猪苗代湖立地3市町

 

 県は5日、国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」への猪苗代湖の登録を目指し、郡山、会津若松、猪苗代の立地3市町と協力して対応を検討していく方針を示した。来年7月にジンバブエで開催予定のラムサール条約第15回締約国会議(COP15)での登録認証に向けて3市町は既に協議に入っており、今後、県も含め条約登録の鍵とみる「地元住民の賛意」を得るための取り組みを中心に進める見通しだ。

 日本野鳥の会郡山、会津両支部が登録を進めるよう要望したのに対し、鈴木竜次生活環境部長が「猪苗代湖が条約の登録地になれば、自然環境保全の意識がさらに高まり、国際的な認知度向上にもつながる。今後関係市町と話し合い、協力しながら対応していきたい」と応えた。

 両支部から昨年に要望を受けた3市町は、国内の登録候補地を集約する環境省との意見交換や課題の洗い出しを進めており、今後は地元住民向けの説明会の開催などを検討している。湯浅大郎(ひろお)郡山支部長は「県がリーダーシップを発揮し、機運を盛り上げてほしい」と訴えた。

 両支部によると猪苗代湖は、日本国内での三つの登録条件のうち二つを満たしており、残る一つの条件「地元住民の賛意」を得ることが登録への重要な要素になるという。

 同省によると現在、国内には登録地が53カ所あり、県内では尾瀬が指定されている。登録されれば「国際的に重要な湿地」と認められることで将来にわたる環境保全や、エコツーリズムなど付加価値のある観光需要の喚起といった効果が期待される。登録に伴い自然保護などに関する新たな規制が追加されることはないという。猪苗代湖は同省によって2010年、条約の基準を満たした潜在候補地の一つに選定されている。

 同省によると登録に向けては、県や市町などの自治体が同省に申請を出し、それを同省がラムサール条約事務局に提出。その後、条約事務局の審査を経て認証される―という手続きを踏むことになる。同省によると、事務局の審査には前例では数カ月程度を要するという。このため両支部は県に、遅くとも今年中に、同省に対して登録の意思を示すよう求めた。要望は県庁で行われ、湯浅支部長と児山章二会津支部長らが鈴木部長に要望書を手渡した。

          ◇

 ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約) 1971年、イランのラムサールで開かれた国際会議で採択され、日本は80年に加入。現在の締約国は172カ国、登録湿地数2494カ所(うち国内は53カ所)。国内での条約登録には〈1〉国際的な九つの基準のいずれかに該当する〈2〉自然公園法や鳥獣保護管理法など国の法律で将来にわたって自然環境の保全が図られる〈3〉地元住民らから登録への賛意が得られること―が条件に挙げられている。両支部によると、猪苗代湖は〈1〉のうち生息するコハクチョウの個体数が基準を超えており、〈2〉については磐梯朝日国立公園の第2種特別地域のため条件を満たしているという。