駅前再開発に「注文」 福島市が初の検討会、委員から厳しい声

 

 JR福島駅東口の再開発事業が資材価格高騰などの影響で計画見直しを余儀なくされていることを受け、福島市は8日、駅周辺のまちづくりを議論する検討会を初開催した。「屋内広場にしてはどうか」「心躍る体験ができる場にしてほしい」。委員からさまざまなアイデアが飛び出し、人口減少を念頭に発想の転換を求める意見も寄せられた。

 再開発は現計画のままでは採算が合わないとして、中核となる施設がほぼ白紙の状態に陥っている。このうち、市の交流・集客拠点施設は規模を縮小した上で〈1〉劇場ホール(約千席)〈2〉コンベンションホール(約1500平方メートル)―のいずれか単独にする案を市が2日に示している。

 検討会には木幡浩市長のほか、地元経済、まちづくりなどに関わる市民が委員として出席した。2案について賛否の声が上がり、福島商工会議所の坪井大雄副会頭は「コンベンションホール案を軸に検討した方がスムーズではないか」と評価した。

 劇場ホールは郡山市のけんしん郡山文化センター(約2千席)や改修に入る福島市のとうほう・みんなの文化センター(約1700席)より客席が少なく、千席ではコンサートや全国規模の大会を開催する場合に収容能力が不足する可能性がある。コンベンションホールも郡山市のビッグパレットふくしま多目的展示ホール全面の3分の1程度にとどまることから、委員からは「『やっつけ』で出した案としか思えない」と厳しい指摘もあった。

 県建築士会福島支部の鈴木深雪副支部長は2案に絞らず、青森県八戸市で2018年に開業した八戸まちなか広場「マチニワ」のような屋内広場の整備を提案し、「見えを張った建物はいらない。市民が楽しんで利用できるような再開発を望む」と力を込めた。

 中核の施設には商業施設やホテル、オフィスも入る計画だが、テナントと交渉が難航し、地権者でつくる再開発組合が再検討を進めている。人口減少で小売業などを取り巻く経営環境が厳しくなっており、県庁通商店街振興組合の中野義久理事長は「商業施設が中心だった計画よりは良くなる」と期待した。その上で「先が見えないのに多額の費用をかけるのではなく、可変性を持った計画にしてほしい」と注文し、今後は体験を重視した施設が求められるとの考えを示した。

 福島大経済経営学類の瓶子莉奈さんは計画検討段階から若い世代が関わることで、再開発を「自分ごと」に捉えられると訴えた。

 施設開業は28年度以降

 再開発施設のオープンは計画見直しで新たな設計が必要となるため当初の予定から少なくとも2年遅れ、28年度以降となる見通し。ただ、開業に向けたスピードを優先するのではなく、議論を深めた上での建設を求める委員もいた。

 また、「再開発はこれまでブラックボックスで決められていた面もあるが、市民に開かれた形で議論ができるようになったのは前進」と歓迎する声も聞かれた。

 市は28日に第2回検討会を開くほか、17日にも市民とまちづくりについて意見を交わす駅周辺タウンミーティングを予定している。