県にパートナーシップ制度導入求める 審議会「市町村の先導を」

 
木幡市長に答申書を手渡す横田会長(中央)と小沢副会長(左)

 県男女共同参画審議会は8日、LGBTなど性的少数者のカップルを公的に証明することで行政サービスや社会的配慮を受けやすくする「パートナーシップ制度」の導入を求める意見を取りまとめ、県に申し入れた。性的少数者のカップルの子どもや親らを対象とした「ファミリーシップ制度」の導入も促した。審議会は学識経験者や各種団体、県町村会の代表者ら20人でつくる県の諮問機関で、今後の県の対応が注目される。

 県は賛否明言せず

 県は性的少数者への理解促進に力を注ぐ一方、制度については「住民に身近な行政サービスを提供する市町村の意向を丁寧に聞く」と慎重な立場を崩していない。審議会が県庁で開いた会合後、県男女共生課は取材に「審議会の意見として受け止める。県は引き続き、理解促進を着実に進めることが重要と考える」とし、賛否を明言しなかった。

 会合では委員から「全国で制度の導入が進む中、県の姿勢は正しいのか」「県が率先して制度を作り、市町村に働きかけてほしい」などの声が多く出た。委員を務める県町村会副会長の高橋宣博桑折町長は「非常に重要な課題。市町村の意向(を聞く)と言われても対応は難しい」と述べ、県の主導を要望した。

 会長の藤野美都子福島医大特任教授は会合後の取材に「制度の導入に消極的な県の姿勢に絶望し、転出を決めた若者が実際にいる。県が希望を持てるメッセージを発しなければ、人口流出に拍車がかかってしまう」と懸念を示し「市町村の動きを待つのではなく、県自ら導入すべきだ」と強調した。

 県が8日の会合で示した直近の意識調査の結果では「性的少数者にとって生活しづらい社会だと思うか」との質問に対し「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた県民の割合は73%に上った。

 県内では伊達市のみ

 制度は2015年11月に東京都世田谷、渋谷両区が先駆けとなり、全国で約400の自治体が導入している。昨年6月にLGBTなど性的少数者への理解増進法が施行され、都道府県単位でも20の導入例がある。

 今年1月に伊達市が県内で初めて制度を導入するまで、全国で本県と宮城だけが「空白県」だった。福島市や南相馬市、富岡町も制度の導入を検討している。

 福島市に早期導入を答申 市審議会「異性事実婚も対象に」

 福島市男女共同参画審議会は8日、LGBTなど性的少数者のカップルを公的に証明する「パートナーシップ」とその親や子の家族関係も認める「ファミリーシップ」を早期導入するよう木幡浩市長に答申した。同性カップルのほか、異性の事実婚カップルを対象に含めることも盛り込んだ。

 審議会は市男女共同参画推進条例の改正で「性の多様性の尊重」などの理念を定め、要綱によって弾力的に運用することが望ましいとした。市は6月議会までに条例改正と要綱策定を目指すほか、この制度で受けられるようになる具体的な行政サービスを検討する。

 全国の自治体では制度の利用者がそろって公営住宅に入居できるようになったり、病院でパートナーが病状の説明を受けられたりするなどのケースがある。

 横田智史会長は「性的少数者に対する配慮の啓発や制度の運用が今後の課題になる」と語り、木幡市長は「多様性を認め、誰もが安心して暮らせる社会にしたい」と述べた。小沢和枝副会長が同席した。