地方鉄道の情報を発信!総合型サイト作成へ 福島県

 

 県は新年度、利用の少ない県内地方鉄道の魅力や路線情報などを一元的に発信する総合型ウェブサイトの構築に着手する。バスやレンタサイクルなど2次交通の情報も充実させ、地元住民や観光客らの利便性が高いサイトを目指す。昨年10月の法改正により地方鉄道の廃止・再編が現実味を帯びており、県内の赤字路線を維持するため、情報発信を一層強化する考えだ。

 県によると、JR東日本や第三セクターが県内で運行する地方鉄道のうち赤字路線を中心に、沿線の観光・イベント情報や時刻表を掲載する。目的地を入力すると最寄り駅からのバスの時刻表やレンタサイクル、オンデマンド(予約制)交通の有無などが表示され、簡単にたどり着ける仕組みも視野に入れる。

 県は、鉄道施設を保有するJR只見線の情報発信を充実させているが、水郡線や磐越東線、磐越西線などの各路線にはこうしたサイトがない。県主導で情報発信の場を設け、より身近で利用しやすい公共交通を実現する考えだ。

 また一部バス会社は運行情報のオープンデータ(公開)化が遅れており、現在はインターネットで時刻表などを検索しても表示されない。県は新年度に「公共交通データ基盤」を構築し、企業や市町村が運行するバスの情報公開を進める。これにより、乗り換えを案内するスマートフォンアプリや一般の検索サイトで表示されるようになるという。

 JR東が昨年11月に公表した2022年度の各路線の収支状況によると、本県ではJR水郡線、只見線、磐越西線、磐越東線の4路線9区間が赤字だった。昨年10月施行の改正地域公共交通活性化再生法は、地方鉄道の存廃を含めて国主導で検討する「再構築協議会」を制度化。JR西日本管内の路線で全国初の会合が3月に予定されている。県内では存廃に関する議論は浮上していないが、関係者の危機感は強い。

 県生活交通課の担当者は「法改正によって赤字路線を取り巻く状況は大きく変わった」と説明。「鉄道の利活用を進め、沿線住民が地域の鉄道を守るマイレール意識の向上に一層力を入れていく」と語る。

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 県は新年度、鉄道に対する住民の機運醸成に取り組む市町村や地元協議会などへの補助金を創設する。各路線の魅力を発信する動画も新たに制作する方向で検討しており、情報発信を重視した事業を展開する。