「ももりんシルバーパスポート」福島市が制度見直しへ

 

 福島市が市内の75歳以上の高齢者に発行するバスや福島交通飯坂線の無料乗車証「ももりんシルバーパスポート」に利用者の偏りが生じている。年間利用額は約7割がゼロだが、最大で70万円近くに上る高齢者もいることが判明。市が運賃を負担しており、上限設定や利便性を高めるタクシー併用を検討している。

 無料乗車証の交付は高齢者の社会参加と公共交通の利用促進を目的に2010年度から始まった。22年度は事業費1億4300万円を計上。対象者4万4000人のうち1万4000人の利用にとどまった一方で、455人は年間利用額が10万円を超えた。このうち、1人は1940回乗車し、運賃が67万4350円だった。

 市によると、高齢者の運賃を補助する自治体はあるが、何度も無料でバスに乗車できる制度は珍しく、全国の市では福島市と長崎県佐世保市だけとみられる。

 このため、福島市は25年度にも公平性のある制度に見直し、年間利用額の大半を占める「2万円以内」を上限に設定したい考え。バス停や飯坂線の駅が遠い地域に住む高齢者に配慮し、1万円をタクシーにも利用できるようにする選択制の導入も検討している。