防災や健康...データ連携、福島県が総合サイト DX促進会議新設へ

 

 福島県は新年度、デジタル変革(DX)の課題解決を加速させるため「オールふくしまDX課題解決促進会議(仮称)」を設置する方針を固めた。自治体や民間事業者が持つ膨大な情報を結び付ける技術を活用し、今月には先行して行政手続きや防災、健康などさまざまなサービスの総合窓口になるウェブサイト「ふくしまポータル」を開設する。デジタル技術を使って県民や企業の快適性を高める「オールふくしまスマートシティー推進事業」の一環。

 促進会議は県や市町村、学識経験者で構成し、4月にも設置する。県によると、デジタル技術を活用した新サービスを始める場合、現在は市町村ごとに検討する必要があり、開発費や労力の負担が大きい。県単位の組織を設けることで各自治体の課題を共有し、効率的なサービスの提供を図る。

 ふくしまポータルは、利用者が居住地や興味・関心のあるテーマを登録すると、今夏以降に県や市町村から通知やイベント、補助制度の紹介など、利用者の属性や好みに応じた情報が自動で届くようになる。初期のサービスは行政手続きと防災の二つに限られるが、次第に健康や観光、交通など多様な分野に拡大する見通し。参画する自治体も2024年度末までに20市町村、25年度に全59市町村に広がる予定だ。

 このサイトは県が本年度構築した「データ連携基盤」を活用する。これまで県や市町村、企業などの各部署に分散していた▽行政▽防災▽個人属性▽医療・健康▽交通―といった情報を安全に結び付ける仕組みで、膨大なデータの利活用が進むほか、情報同士を組み合わせることで新たな価値が生まれやすくなるという。

 データ連携基盤の活用で先行する会津若松市は、位置情報に基づく避難誘導や安否情報の共有を実現。ほかにキャッシュレス決済の情報がスマートフォンアプリに自動登録され、足りない栄養素やレシピを提案するなど、健康や観光、行政手続きなどで計20種類以上のサービスを実用化した。基盤の構築が情報通信技術(ICT)関連企業の誘致につながっているという。

 促進会議はデータ連携基盤の活用法を含め、DXを幅広く議論する。県は「要望が多様化する中、より良いサービスを提供したい」(デジタル変革課)としている。