東電に5700万円賠償命令 地裁いわき、富岡の避難者訴訟

 

 東京電力福島第1原発事故で避難した富岡町などの住民が東電に慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟で、地裁いわき支部の三井大有裁判長は13日、東電に計約5700万円を賠償するよう命じた。訴訟では、原告158人のうち148人が和解していて、今回は和解していない10人への判決。

 三井裁判長は判決理由で「地震や津波が想定外の大規模なものであり、事故を回避できたと断ずるまではできない」としたが「対策の遅れが原発事故による被害を受けた避難者の精神的損害に及ぼす影響を十分に考慮すべきである」と結論付けた。

 賠償額は帰還困難区域と居住制限区域で2022年12月に見直された国の賠償基準「中間指針」に基づき、区域ごとに算出した。原告側は区域による金額の差を設けないことを訴えていたが、三井裁判長は「地域ごとの被害程度や回復の可能性などを考慮して定めるのが合理的」とした。

 原告団の猪狩俊幸副団長(78)は「判決は非常に残念で、何事にも誠意が見られない」と語った。原告側は控訴を検討している。

 原告は、原発事故による「ふるさと喪失」などに対する慰謝料を求める「福島原発避難者訴訟」の第3陣。富岡町などの住民64世帯162人が東電に慰謝料など35億6400万円を求めて提訴したが3世帯4人が取り下げ、先月28日には58世帯148人が和解していた。