途上国のがん治療支援 日本アンカーセンター誕生、16機関連携

 
(左から)南理事長、グロッシ事務局長、前田病院長

 発展途上国にがんの放射線治療を普及させる国際原子力機関(IAEA)の事業「Rays of Hope(レイズ・オブ・ホープ)」を支援する国内の組織「日本アンカーセンター」が14日、設立した。会津中央病院(会津若松市)からIAEAへの寄付金10万ユーロ(約1600万円)を原資に福島医大などが人的支援や技術指導で貢献する。

 同センターは福島医大を事務局とし、大阪大や東北大、国立がんセンターなど16機関で組織する。主にアジア太平洋地域の発展途上国のがん医療向上に向け、現地で医師に技術指導をしたり、国内に招いて研修したりすることを予定している。

 寄付金の贈呈式とアンカーセンターの設立に関するIAEAとの調印式が福島市で行われた。がん治療に力を入れている会津中央病院の前田佳一郎病院長は、同事業の趣旨に賛同して寄付に至ったとし「活動がさらに推進し、開発途上国におけるがん治療の質の向上に貢献できることを心から願っている」とあいさつ。同病院を運営する温知会の南嘉輝理事長とIAEAのグロッシ事務局長が調印書を取り交わした。グロッシ事務局長は「今後も協力を続け、世界のがん医療を改善するために努力していく」と感謝した。

 同事業は、放射線の平和利用に向けた国際協力活動の一環として2022年に始まった。同センターの総合コーディネーターを務める中野隆史福島医大教授は「寄付は世界コミュニティーの団結と幸福への取り組みの象徴。がんに対する持続可能かつ効果的な放射線医療を大幅に強化する」と意欲を語った。