天王山遺跡出土品、国重文に指定へ 登録有形文化財には県内3件

 
天王山遺跡出土品の土器(白河市提供)

 国の文化審議会は15日、重要文化財(美術工芸品)に白河市の「天王山(てんのうやま)遺跡出土品」の1件、登録有形文化財(建造物)に同市の藤田家住宅の「店舗兼主屋(おもや)」「座敷蔵(ざしきぐら)」「土蔵(どぞう)」の3件を新たに指定するよう盛山正仁文科相に答申した。

 天王山遺跡は弥生時代の集落の様子や食生活がうかがえる重要な遺跡で、国史跡に指定されている。調査で出土した土器の多くには交互刺突文(こうごしとつもん)や、縄文時代晩期にみられる変形工字文などの特徴的な文様が施されている。「天王山式土器」と命名され、弥生時代後期前半の東北地方を代表する標式資料として、学術的・学史的に重要な土器群となっている。石器と石製品にはアメリカ式石鏃(せきぞく)と呼ばれる特徴的な形状の石鏃や、環状石斧(せきふ)などが含まれる。262点のうち127点が重要文化財指定、ほかの135点がその付けたりとして指定される見通し。

 藤田家住宅の店舗兼主屋などは、小峰城の旧城下の角地に建つみそしょうゆ醸造業の建物。大正前期に建築され、改修を重ねた店舗兼主屋は奥州街道に面する2階建て店舗に平屋の主屋を接続している。ガラス戸の開放的な外観が街道景観を形成する。座敷蔵は床回りに黒檀(こくたん)や紫檀(したん)など材料を吟味した良質な近代和風建築。江戸末期に建築されて明治時代に改修された土蔵は外壁漆喰塗仕上とし、軒に鉢巻を巡らせている。

 座敷蔵と土蔵は現在、藤田記念博物館として活用されている。いずれも指定されれば、県内の重要文化財(美術工芸品)は22件、登録有形文化財(建造物)は271件となる。

 地域の宝 大切に保存

 答申を受け、関係者は喜びの声を上げた。白河市の鈴木和夫市長は天王山遺跡の出土品について「地域の宝として大切に保存するとともに、国の歴史、文化を知る手がかりとして、展示や公開を図っていく」とコメントした。

 藤田家住宅を所有する藤田教育振興会理事長の藤田弥五兵衛さん(86)は「先祖が残し、守り伝えてきた歴史的遺産である建造物群を今後も将来にわたって伝えていく上で、答申は大きな励みになる」とした。

240316news027.jpg藤田家住宅の店舗兼主屋

240316news028.jpg藤田家住宅の座敷蔵(白河市提供)

240316news029.jpg藤田家住宅の土蔵(白河市提供)