マウスの体毛からストレス可視化 平福島大教授、技術開発に成功

 

 福島大食農学類の平修教授(48)は、マウスの体毛を分析し、ストレス度を可視化する技術開発に成功した。今後は人間の毛髪でも可能かどうかを調べる。平氏は「将来的には血液検査に変わり、毛髪1本から体の状態を調べられるような技術を開発したい」と展望を語る。

 毛根には毛細血管があり、血液から体の情報が毛髪に移ることが知られており、覚醒剤など薬物検査でも使用されている。採血した時点の体の情報が分かる血液検査に対し、日々伸びる毛髪には体の情報が残るため、数カ月前の状態を分析することも可能という。

 平氏は、分子の質量を測ることで食品などに含まれる成分を可視化する分析方法「質量分析イメージング」を活用。より鮮明に小さな分子を可視化でき、平氏が独自に開発した「ナノ微粒子質量分析」で実験した。

 その上で平氏は、マウスにストレスを与えながら体毛を採取して分析した。その結果、ストレスを受けた時点から特定の物質が確認でき、ストレスの状況を可視化することに成功した。

 今後、平氏は人間の毛髪1本からストレスの要因を特定し、可視化する技術開発を進める。精神的または物理的などストレスの要因を分類できるようにし、人間がいつ、何によってストレスを受けたかを解明したいとしている。平氏は「過去に何があったか分からないと、うつ病の診断はできない。毛髪を調べることでストレスの状況が分かれば、うつ病を特定する科学的な証拠となる。治療効果を確かめることもできる」と期待する。

 技術開発に当たっては、テルモ生命科学振興財団の助成金を活用する。