「紅麹」広がる影響 小林製薬・健康被害、福島市保健所に相談も

 
会見で謝罪する小林製薬の小林章浩社長(左から2人目)ら=29日午後、大阪市

 小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」を使ったサプリメント摂取により死亡事例が疑われている問題を巡り、同社商品に関連した健康相談が福島市保健所に1件あったことが29日、市保健所への取材で分かった。相談者は28日に体調不良を訴え、市保健所が医療機関の受診を促した。一方、県内で麹を扱う事業者にも影響が広がっており、早期の事態収束を望む声が上がっている。

 県内9カ所の保健所には29日夕時点で、このほかに健康相談などの問い合わせはないという。県は、紅麹を含む製品を摂取後に腎疾患などの体調不良を訴える事例が報告されているため相談窓口の連絡先や、回収対象食品に関する情報などをホームページに掲載して注意を呼びかけている。

 県食品生活衛生課の担当者は「対象製品の摂取は直ちに中止し、体調が悪くなったら医療機関を受診してほしい」と求めた。県消費生活センターへの相談も29日夕時点ではないが、担当者は「今後増える可能性がある。相談があれば適切に対応する」とした。

 未使用でも対応追われ困惑

 今回の問題で、麹を取り扱う県内の事業者にも影響が及んでおり、関係者が対応に追われている。

 みそや甘酒など発酵食品を製造・販売する宝来屋本店(郡山市)には消費者や取引先から紅麹に関する問い合わせが相次いでおり、同社が製造する取引先のプライベートブランド(PB)商品の定期購入を解約する人もいたという。柳沼真行専務・工場長は「風評被害が起きており、実害も出ている。小林製薬は一刻も早く原因を解明してほしい」と危機感をあらわにした。

 宝来屋本店は全ての製品に「黄麹菌」を使っており「紅麹」と「紅麹菌」は一切使用していないという。柳沼専務も「全くの別物だ」と強調する。同社は25日にホームページにこうした内容を掲載したが、柳沼専務は「紅麹に関する対応に追われ、困惑している」と嘆いた。

 同社は交流サイト(SNS)を活用し、発酵学の第一人者で東京農大の小泉武夫名誉教授(小野町出身)が紅麹について解説したサイトを紹介している。柳沼専務は「正しい情報を知ってほしい」と訴えている。