双葉の伝承館、最多9万人来館 23年度、福島県独自の旅行施策浸透

 

 福島県は3日、東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)の2023年度の来館者数が9万3759人(前年度比1万3640人増)となり、20年の開館以降最多だったと発表した。増加は3年連続。外国人は全体の4%に当たる4086人だった。新型コロナウイルスの5類移行や、震災と原発事故からの復興の歩みを発信する県独自の旅行施策「ホープツーリズム」の浸透が要因とみられる。

 県によると、新型コロナの5類移行により、団体や個人で訪れる一般の来館者が増加した。インバウンド(訪日客)回復の影響で外国人も増えており、22年12月から統計を取り始めた外国人来館者数は22年度が1日当たり8.9人に対し、23年度は同13.3人に上昇した。

 一方、教育旅行による来館者は減少した。2月末現在で訪れた学校数は273校(1万6202人)で、前年度同期を27校(1682人)下回り、約1割の減少だった。教育旅行の行き先が新型コロナ禍前に回帰していることなどが背景にあるとみられる。

 伝承館を訪れる外国人の増加などを踏まえ、県は本年度、震災と原発事故の経験と教訓の海外発信にも積極的に取り組む方針だ。9月にフランスで伝承館の海外展示を初めて行うほか、英語の語り部育成も進めて本県への訪問を促すことで国際的な震災の記憶の風化防止につなげたい考えだ。

 教育旅行の誘客に向けては、着任3年目となる常任研究員の研究成果などを展示内容に生かし、魅力向上を図る。

 県は「伝承館の魅力を広く伝え、教育旅行者らの確保に取り組みたい」(生涯学習課)としている。