「盛り土規制」福島県全域対象 3中核市も、9月末までに指定

 

 県内で危険な盛り土が相次いで確認されたことを受けて県などが盛り土規制法に基づき指定を進めている規制区域が、県内全域を対象に指定される見通しとなった。県は13日、中核市3市を除く56市町村の全域を9月末までに規制区域に指定するとした候補区域を公表した。福島、いわき、郡山の3中核市も9月末までに市内全域を規制区域に指定する方針で、全県で空白なく盛り土の造成を抑止する体制が今秋にも整う見込みだ。

 規制法は、盛り土が崩れた場合に住宅などへ被害を及ぼす危険性がある場所について、知事や中核市長らが規制区域に指定できると定めている。規制区域では一定規模以上の盛り土を造るのに知事らの許可が必要となるほか、指定前に造成された盛り土への改善を命じることもできるようになる。工事停止命令や許可取り消しなどの行政処分や、罰金などの罰則規定もある。

 県はすでに盛り土造成が確認された西郷村、矢祭町の全域を規制区域に指定。盛り土造成の動きがある白河市も6月に規制区域に追加する方針で、これら3市町村と中核市を除いた53市町村で区域指定に向けた基礎調査を行っていた。

 盛り土規制法に基づく規制区域は、市街地や集落が近くにある「宅地造成等工事規制区域」と、それ以外の「特定盛土等規制区域」に分けられる。宅地造成等工事規制区域は特定盛土等規制区域に比べて規模の小さい盛り土も規制対象となる。53市町村では宅地造成等工事規制区域に5312.9平方キロ(51%)が該当した。

 県は9月末までの区域指定を目指し、今後、市町村との調整や県民からの意見公募などの手続きを進める。県内全域が規制区域となる見通しとなったことについて県は「市街地や集落がない区域にも道路やダム湖があり、盛り土が崩れた場合に被害が出る恐れがあると基礎調査で確認できた」(都市計画課)としている。

 規制法は静岡県熱海市で起きた土石流災害を受け、昨年5月に施行された。県は規制区域拡大までの「空白期間」に対応するため、6月には盛り土の造成に知事の許可が必要となる規制条例を施行する。

 県は14日、候補区域図をまちづくり推進課のホームページに掲載。市町村ごとの規制区域も確認できる。