人口減対策、国に司令塔 知事同盟サミット提言、強い危機感訴え

 
みやざき声明を読み上げる内堀知事(中央)

 人口減少に歯止めをかけ、地方創生を実現するため内堀雅雄知事ら25道府県の知事有志でつくる「日本創生のための将来世代応援知事同盟」は15日、宮崎市でサミットを開き、政府に急激に進む人口減少対策の司令塔となる組織の設置を求める緊急アピールを採択した。少子化や東京一極集中が続いていることに強い危機感を示すとともに、国が責任を持って対策を強力に推進することを求めた。

 2013年から開催し10回目となったサミットで緊急アピールをまとめるのは今回が初めて。民間の有識者でつくる「人口戦略会議」が公表した報告書で将来的に全国の744自治体に「消滅可能性」があるとされたことや、地方創生の取り組みが始まって10年がたっても人口減少に歯止めがかからない現状を踏まえ、地方が抱える人口減少への強い危機感を訴えた形だ。

 緊急アピールでは、人口減少について「消滅可能性自治体だけで解決しきれる問題ではない」と指摘した上で、国が主体的に取り組むために司令塔の設置のほか、対策の再構築、地方との適切な役割分担を求めた。国、地方だけでなく経済界、労働界とも連帯して運動を起こす体制を構築することも訴えた。サミットに出席した内堀知事は福島民友新聞社の取材に「人口減少対策は総合的な政策が必要で、複数の省庁、部署がそれぞれ取り組んでいるのが現状。責任を持って対応する組織を整備すべきだ」と述べ、司令塔の必要性を強調した。

 サミットでは、18府県の知事、副知事が登壇し「少子化対策」「若者、特に女性が地方に残るための対策」をテーマに意見交換した。内堀知事は、県が取り組む若い世代に県内企業の魅力を紹介する取り組みなどを紹介し「(若い世代に)福島で暮らそうと共感してもらえるよう、積極的に取り組んでいきたい」と決意を述べた。また全国知事会長を務める村井嘉浩宮城県知事は「個人的な考え」とした上で、全国知事会にも人口減少対策を専門的に議論する組織をつくるべきだとの考えを示した。今夏に開かれる会合で提案するという。

 将来世代の育成機運醸成

 宮崎市で15日に開かれた日本創生のための将来世代応援知事同盟のサミットでは、社会全体で「将来世代」を支え、育てる機運の醸成など14項目の「みやざき声明」がまとめられた。

 東京一極集中の是正に向けては、転職なき移住、関係人口創出・拡大など新たな人の流れの創出を推進することを、政府として最優先課題に位置付けることを求めた。

 子育て支援では医療費助成のほか、給食費や幼児教育・保育、高校授業料の無償化などの子育てに関する経済的支援について、全国一律の制度化と支援基準の充実を図ることを国に提言した。

 内堀雅雄知事は福島民友新聞社の取材に、機運の醸成のほか「東京一極集中の是正」「子ども・子育て支援」「働き方改革」「ジェンダー平等」の五つが柱だとの認識を示し「県としてもこれらに力を入れていく」と述べた。

 次回のサミットは福井県で開かれる。