只見線の経済波及効果6.1億円 全線開通からの1年間、県が推計

 

 県は17日、豪雨被害から復旧したJR只見線の全線運転再開に伴う1年間の経済波及効果が、推計約6億1千万円に上るとの調査結果を公表した。さらなる利用拡大へ向けた起爆剤として本年度、地元や観光客のニーズを反映したオリジナル観光列車の導入に向けて検討を本格化させる。

 会津若松市で開かれた只見線利活用推進協議会の会議で報告された。県が線路を管理する会津川口―只見駅間が再開した2022年10月から23年9月の1年分を調査し、全線再開による観光客数の増加数から経済波及効果を算出した。飲食や宿泊、お土産購入などの直接効果が約4億1千万円、消費増による生産増といった第1次波及効果が約1億3千万円、さらに生産増による所得増などが約7千万円とした。

 観光客数は鉄道利用者と自動車利用者でまとめ、新型コロナウイルス禍前の2019年度と比べて5万4047人増加し27万3898人となった。内訳は鉄道利用の観光客が4万7080人(4万1620人増)、ビューポイントに自動車で訪れたケースなど自動車利用の観光客は22万6818人(1万2427人増)と算出した。

 協議会は只見線の利活用促進に向けた10の重点プロジェクトを策定し、昨年度から順次実施している。オリジナル観光列車は、昨年度に沿線自治体の住民やJR、製造・管理などの関係事業者と意見交換を行った結果を基にして、今後、検討部会を設置し実現へ向けた協議を進める。

 現段階の構想として、第三セクターの会津鉄道の会津線と只見線で共通運用し、会津鉄道が車両を所有することを想定。過去にも会津鉄道の観光列車「お座トロ展望列車」が只見線に乗り入れた実績があり、更新時期を迎えているお座トロの後継車両に位置付ける。

 検討部会では、車両の外観や内装のデザイン、車内設備、車両編成数、おもてなしの面から車内外サービスの提供なども協議する。方向性としては「豪華列車」ではなく「気軽に乗れる列車」を目指すという。

 協議会の会議の冒頭、鈴木正晃副知事は「四季を通じて多くの方に来てもらい、最近では外国人旅行者の姿も多い。この盛り上がりを一過性としないため、只見線に新たな価値を加えていきたい」と述べた。

 協議会は県、只見線沿線自治体、沿線の観光・経済団体などで構成、新潟県やJR東日本東北本部などがオブザーバーとして参加している。