ナカヤマアキヒコさん「ロック愛」後世に 25日に番組放送100回

 
「遠く離れた国で同じような音楽を聴いてきたバラカンさんと対談ができて、とても有意義な時間だった」と話すナカヤマさん=いずれも郡山市・ふくしまFM

 ふくしまFMで放送中の音楽番組「ナカヤマアキヒコのROCK愛好会」が25日の放送で100回を迎える。番組は、ロックジャーナリストのナカヤマアキヒコさんがロックバーの「マスター」として、「客」のシンガー・ソングライターつじむらゆみこさんを相手に、毎回テーマに合わせて選曲した往年のロックの名曲を紹介している。同局を訪れたナカヤマさんに思いを聞いた。

 黄金期を紹介

 番組はロックの「黄金時代」といわれる1960年代後半から70年代の洋楽を中心に紹介。マスターの豊富な知識と経験を基に、初心者にも分かりやすく、時にはマニアックに楽曲を解説する。

 毎回のテーマや曲の選定は全てナカヤマさん自身によるもの。最近放送したものでは「ブルーズとギターの切っても切れない関係」「ギターが唸(うな)るライヴ」「ハードロックからヘヴィーメタルへの歴史的転換を語る」など、ロック好きなら思わず身を乗り出したくなるテーマが並ぶ。

 若者に刺さるように

 ナカヤマさんは「ロックは奥が深く時代を反映したものなので、楽曲だけでなく当時の世相や背景なども含めて後世に伝えたい。だから番組内では難しめの話も少し入れるようにしている」と番組の趣旨を話す。中学生の頃から趣味で集めてきた膨大な資料も、番組を支える貴重な情報源だ。

 次の世代へ伝えるためには「今の若い人たちに刺さらないと意味がない。ロック黄金期に10代を過ごした自分たちの世代だけを相手にすると、そこで完結してしまう」。

 そんな思いが実り、番組には下は高校生から上は70代まで、幅広い世代からメッセージが届く。さらに、ラジオ番組配信サービス「radiko(ラジコ)」を利用し、「ロック」をキーワードに全国のマニアが番組を検索して聴いているという。九州からメッセージが届くこともあり、「いい時代ですね」とナカヤマさん。

240519nk-topic1-2.jpg番組収録中のナカヤマさん(左)とつじむらさん

 記念放送のゲストは

 100回目となる25日の放送では、ゲストに英国生まれのラジオパーソナリティーで音楽評論家のピーター・バラカンさんを迎える。

 バラカンさんは1951年生まれで、ナカヤマさんの4歳年上だ。黄金時代の米国のロックを、遠く離れた日本と英国から眺めていた2人の見解を、時を超えて答え合わせするような対談が実現した。「僕は当時英国に行ったことがなかった。これまで資料で見聞きしてきたさまざまな情報について、バラカンさんの生きた言葉で聞くことができた。あの頃の英国の話を、日本語であれだけ話せる人は、他にいないのでは」と胸を熱くする。

 25日の放送では、1960年代からのロックの歴史について熱くたっぷりと語っている。この2人だからできた話や、ここでしか聴けない話が満載で、音楽ファン必聴の1時間だ。

 土曜の夜はバーを訪れた気分で飲み物を片手に、ラジオに耳とグラスを傾けよう。(佐藤香)

 ナカヤマアキヒコ 1955年、東京生まれ。小学生時代からエレキバンドに加入し、大学卒業までロックバンドを続ける。慶応大卒業後、三菱重工入社。広報・宣伝業務に従事しながら、2011年より在京FM局で音楽番組の放送作家を担当。並行してロックとサブカルチャーの講演を行う。21年よりロックジャーナリストとして活動。