尾瀬、26年に20万人目標 利用行動計画策定、年間入山数初設定

 

 本県など4県にまたがる尾瀬国立公園の利用促進と魅力向上を視野に、環境省や県などでつくる検討会が利用行動計画を策定した。2023年に約16万3000人だった入山者を26年に20万人に増やすなど、数値目標を初めて設定。入山者数の減少から「このままでは近い将来、尾瀬の管理水準が著しく低下する」と警鐘を鳴らし、ファンを増やしながら環境を守る好循環につなげる戦略を掲げた。

 計画では、17の成果指標ごとに数値目標を示した。1人当たりの消費単価は26年度までに約1200円引き上げて1万1680円とし、尾瀬全体の消費額を23年度比で4割多い23億4000万円に増やす。ごみ拾いや寄付など「守る活動」への参加率は23年度の31.6%から36.6%に高める。

 計画の背景には、入山者の減少が同公園の環境に影を落としている現実がある。入山者数は1996年の65万人をピークに減少し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年は統計が残る1989年以降で最少の10万6992人だった。

 入山者の低迷は、維持管理の財源や担い手の不足に直結する。国が入山者に行った調査では「木道・登山道の整備不足」を不満とする声が最多で、シカの食害による「自然資源の劣化・変化」が続いた。

 戦略は、尾瀬の訪問回数に応じて利用者を〈1〉ビギナー〈2〉リピーター〈3〉ファン―の3層に整理した。訪問1回のビギナー層向けに滞在・周遊型プログラムを充実させるほか、訪問回数が多く「守り手」側の意識も期待するファン層は、環境保全の体験型商品を造成するなどして増やす考えだ。

 自然体験や情報発信などのプログラムは現在59種類あり、今後は効果の検証を本格化させる。計画には「尾瀬をみんなで守り育て、次代に引き継いでいく」と明記し、利用から保全に結び付ける仕組みの必要性を強調。環境保全費の一部を利用者が負担する入域料の導入も検討される見込みだ。

 計画は同省や県、関係市町村などで小委員会を設置し、2021年度から3年かけて検討を進めた。24年度は同様の構成員で推進委員会を新設し、目標達成に必要な手だてを協議する。