「請戸川水力発電所」完成 農業用ダムを活用、年間1700世帯分

 
請戸川水力発電所の完成を祝いテープカットする関係者=浪江町・大柿ダム

 浪江町の農業用ダム「大柿ダム」に建設されていた請戸川水力発電所が完成し21日、現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。関係者は東京電力福島第1原発事故を教訓とした再生可能エネルギーの地産地消の推進に向け、水力発電を通じた脱炭素社会の実現や営農支援を進めようと誓った。

 発電所はダムを管理する請戸川土地改良区(浪江町)、JFEエンジニアリング(東京都)と東京発電(同)の出資で設立した新会社「アクアコネクトなみえ」が事業を担う。農業用ダムに水力発電所が整備されるのは県内初。

 既設の水利設備を活用して発電する仕組みで、式に先立ち15日から発電を開始。年間発電量は約600万キロワットで、一般家庭約1700世帯分に相当する。発電した電気は固定価格買い取り制度(FIT)に基づき、電気事業者に売電する。大柿ダムは1988年に完成、浪江町や隣接する南相馬市小高区と双葉町に農業用水を供給し、地域農業を支える。請戸川土地改良区は発電事業の収益などにより地域の農業復興を図る。

 式には関係者約60人が出席し、神事の後、請戸川土地改良区理事長の吉田栄光浪江町長らがテープカットした。吉田町長は「農家に農業用水を供給しながら、復興の柱としての再エネの活用を進めたい」と期待した。アクアコネクトなみえの増井俊輔社長は「浪江町の復興のため再エネの地産地消を図りたい」と述べた。