福島駅東口再開発、29年度開業へ 市と組合、コンベンション案採用

 

 福島市のJR福島駅東口の再開発事業を巡り、市と福島駅東口地区市街地再開発組合は29日、当初の計画を見直して規模を縮小した案を示し、コンベンションホールを新設する案を採用することを明らかにした。資材価格高騰などを受け、事業費は当初計画から60億~90億円増の550億~580億円程度を見込む。2028年度中の完成、29年度中の開業を予定する。

 同日開かれた市議会全員協議会で木幡浩市長らが見直し案を提示し、方針を説明した。市は6月3日開会予定の市議会定例会に関連議案を提出する見通し。

 市が設置した「駅周辺まちづくり検討会」から受けた提言を踏まえた見直し案のポイントは【表】の通り。商業施設などが入る民間エリアとホールを整備する公共エリアに分け、駅前通りに面した広場とをつなぐことで街や市民との一体感を創出する。ホールは、可変性があり多様な使い方ができる機能を設けることから「フレキシブル・ホール」と位置づけるとした。

 総事業費のうち、工事費は計画見直しにより2022年の認可時と同程度に抑えたが、資材価格高騰の影響や設計の見直し、解体費用、開業遅れによる権利者への補償といった経費が膨らんだ。今後もさらに増える可能性がある。市が組合から買い取る公共エリアの経費は250億~270億円を想定。再開発エリア全体の経済効果は年間40億~50億円と試算している。

 費用最大90億増、市議は厳しい声

 事業を巡っては、規模縮小方針の発表以降も民間エリアに入る予定だったホテルの誘致断念など課題が山積している。全員協議会で市議からは、事業費の増大なども含め「見通しが甘かったのでは」「市民の理解を得られるのか」などと厳しい声が上がった。

 「事業をやめる考えはないのか」という質問に、市側は「受けている融資の返済や補助金の返還などが必要になり、多方面に多大な迷惑をかける。中止という判断は難しい」とし、事業を進める考えを示した。

 また、組合の考える施設像を問われた再開発組合の担当者は「郊外に流れやすいショッピングセンター機能ではなく、福島の飲食体験や物産が体感できる目的性のある施設を整備したい」と述べた。

 木幡市長は「ぜいたくな施設をつくっているわけではない。個性的で身の丈に合ったものとして示している」とした上で「実質的な市民の負担が減るように努力していきたい」として、事業の推進に理解を求めた。