はびこるトクリュウ、郡山駅前の浄化急務...悪質客引き、違法風俗店

 
多くの人が行き来するJR郡山駅前の繁華街。悪質な客引きなどが問題となっており、郡山署が実施する浄化活動に市民からは期待の声が上がる (記事と写真は関係ありません)

 交流サイト(SNS)などでつながり、離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)」が関与するガールズバーが県内で初めて摘発された郡山市のJR郡山駅前。新型コロナウイルスの5類移行の昨年から、悪質な客引きやスカウト行為が増え、不安の声が相次いでいた。こうした状況を受け、郡山署は6月1日から大規模な「駅前浄化活動」に乗り出す。「商都」の顔となる駅前の治安回復に向け、注目が集まる。

 「最近、悪質な客引きがいる場所が増えてきたようだ。中には取り締まりが厳しくなった県外の繁華街から流れてくる客引きもいるという話も聞く」。郡山駅前大通商店街振興組合の佐藤晃正理事長(62)は現状を語る。

 これまで客引きは同駅西口大通り北側にあるアーケードから大町につながる道などに多かったが、現在は大通りを挟んで南側に位置するスナックなどが集まるエリア「陣屋」にも増えてきたという。

 同駅前では以前から客引きやスカウト行為が問題となっていたが、最近では新型コロナ禍で廃業した店舗に新たな店が参入するなどしてにぎわいが戻ってきた一方、悪質な客引き行為も目立つようになってきた。今回の「トクリュウ」を巡って、同署は29日までにグループの一員とみられる4人を逮捕。捜査関係者によると、グループは40~50人規模で、無許可での風俗店の営業や悪質な客引き行為、ぼったくり、暴行、脅迫、「なりすまし詐欺」などの特殊詐欺といった不法行為を繰り返していたとみられる。

 こうしたグループが進出していたことに、地元からは驚きの声も上がる。市大町商店街振興組合の名木剛範理事長(57)は「客引きなどの話だけだと思ったが、こんなに根深い問題があったとは知らなかった」と困惑する。

 郡山署、1日から「監視」強化

 郡山署は2019~23年の5年間で客引きを計43件摘発。新型コロナの影響が大きかった20年から22年までは各年1桁だったのに対し、昨年は10件、今年はすでに4件と取り締まりに力を入れてきた。

 6月1日からは飲酒検問に加え、駅前の各地にパトカーを駐留させる場所を確保し「監視の目」を強化、初日は200人態勢で駅前周辺をパトロールする。

 「昨年から暴排パトロールなどが再開し、啓発にも参加しているが、民間だけでは足りない部分もあった」と、名木理事長は駅前再開発が進む中、こうした警察主導の動きに期待を寄せる。佐藤理事長も「駅前で長年抱えていた問題がようやく動き始める。長期戦になるだろうが、街にどのような変化が起きるか注目している」と思いを語る。