【10位】柳美里さん全米図書賞 翻訳、世界で反響

 
受賞の喜びを語る柳さん

 米国で最も権威のある文学賞の一つ、全米図書賞の発表が11月にあり、翻訳文学部門で南相馬市在住の芥川賞作家、柳美里さん(52)の小説「JR上野駅公園口」が選ばれた。日本人作家として2018(平成30)年に同部門で受賞した芥川賞作家、多和田葉子さんの「献灯使」に続く快挙となった。

 「JR上野駅公園口」は1964(昭和39)年に開かれた東京五輪の前年、家族を養うために東京都に出稼ぎに出た南相馬市の男性の生涯を描いた物語。

 翻訳家モーガン・ジャイルズさんが英訳し、英題は「TOKYO UENO STATION」。米タイム誌「2020年の必読書100選」、ポートランドの世界最大の書店パウエルズブックスが選ぶ「今年最高の翻訳文学」の一冊にも選出された。

 柳さんは15年に南相馬市に移り住み、18年に同市小高区の自宅に書店「フルハウス」を開いた。今月2日には休業していた書店のカフェを再開、地域の交流の場を提供し続けている。

 柳さんは「地元の方々から、おらほ(私の町)の物語と呼ばれている作品が受賞できてうれしい」と喜びを語った。