【7位】2年後に海洋放出正式決定 理解の醸成は道半ば

 
福島第1原発の沖合で行われている台船を使ったボーリング調査(東京電力提供)

 東京電力福島第1原発の汚染水の浄化過程で発生する処理水の処分を巡り、政府は4月13日、2年後をめどに海洋に放出する方針を決定した。東電は今月21日、放出に必要な施設整備を盛り込んだ実施計画の審査を原子力規制委員会に申請した。放出開始を見込む2023年春まで時間は刻一刻と迫るが、放出に向けた理解の醸成は道半ばだ。

 東電は、放射性トリチウムを含んだ処理水を海水で希釈し、敷地内から海底トンネルを通じて沖合約1キロの地点で放出することを予定する。海底トンネルの陸側には立て坑を設け、希釈した処理水が環境に放出する際の基準値を下回っていることを確認する体制を整える。

 原子力規制委員会の審査を前に、東電は既に許認可が必要ではない現地調査に着手している。海底トンネル整備のためのボーリング調査などが対象で、データの収集などを進めている。

 しかし、漁業者を中心にさらなる風評への懸念や賠償に対する不安を訴える声はやむことがない。東電は「多くの人の理解を得る」とするが、これまでの対応への不信感が壁になっている。原発事故当事者として誠実な行動が求められる。