「参院選」10日投票 福島選挙区・最終日、都市部で攻防

 

 「18歳選挙権」の導入後初の国政選挙となった第24回参院選は10日に投票が行われ、即日開票される。福島選挙区(改選数1)では現職2人と新人1人が、本県の復興や経済、安全保障政策などを争点に舌戦を繰り広げてきた。最終日となる9日は、3候補とも都市部を中心に遊説する構えで、18日間の戦いはフィナーレを迎える。

 2議席を分け合った6年前の第22回参院選では、トップ当選した増子輝彦候補と2位当選の岩城光英候補の差はわずか2682票の大接戦だった。1議席を争う戦いに変わった今回も与野党が総力を結集し、県内各地を舞台に激しい攻防を展開してきた。

 岩城候補は選挙期間中、復興政策を前面に出し「復興加速化の流れを止めるか、止めないかの選挙だ」と訴えてきた。連立を組む公明党の支援を受けて「与党の実行力」を強調。安倍晋三首相(自民党総裁)や閣僚らが多数駆け付け、党本部も総力戦で後押しした。

 最終日の9日も、小泉進次郎氏が3度目の県内応援に入り、県北や相双の票を掘り起こす。18日間の締めくくりは、福島市のまちなか広場前で行う。陣営は「党本部や党県連、支援団体が一丸となって戦ってきた。勝つしかない」と最後まで全力を振り絞る考えだ。

 増子候補は、本県復興を加速させることを最重要の公約に支持を呼び掛けてきた。震災から5年が過ぎても約9万人いる避難者の現状や中間貯蔵施設の整備遅れなど安倍政権下の復興の停滞を指摘。街頭では「相手陣営が勝てば、福島の復興はこのままでいいということになる」と訴えた。

 9日は地元郡山市を中心に遊説。終盤は憲法改正の動きを念頭に「平和」を対立軸の前面に掲げ、最終日も共産、社民両党の幹部らとJR郡山駅前での最後の訴えに臨む。陣営は「ここで勝利し、安倍政権にストップをかける」と意気込む。

 矢内筆勝候補は最終日、福島市で最後の追い込みをかける。陣営は「県内をくまなく回ってきた。一人でも多くの人に時間をかけて政策を訴えたい」と話す。