若者の投票率向上へ『選挙戦術』 参院選、候補者顔負けの対策

 
来場者の入場券を確認し、スムーズな案内を心掛ける五十嵐さん(左)=会津坂下町役場

 18歳選挙権が導入されてから3度目の国政選挙となる今回の参院選。過去2度の選挙での県内の10代、20代の投票率は、全世代の平均を大きく下回った。21日の投開票を前に、若者の選挙、政治への関心を高めようと、各選管は候補者顔負けの"選挙戦術"で投票率向上を狙う。

 「こちらにご記入をお願いします」「受付へお進みください」。会津坂下町役場の期日前投票所では9日、坂下高2年の五十嵐舞雪さん(16)が緊張した面持ちで案内役を務めた。

 投票所入り口で入場券と宣誓書の内容を確認し、受付係に誘導するのが五十嵐さんの役目だ。「緊張したけど、選挙の仕組みを知るよい機会になった」と笑顔で話した。

 今回の参院選で町選管は、高校生に選挙への関心を深めてもらい、投票率向上につなげようと同校の2年生3人を選挙事務従事者に起用。その一人としてこの日の選挙事務に臨んだ五十嵐さんは「案内に従えば誰でもスムーズに投票ができる。選挙への興味が少しずつ湧いてきた」。当初持っていた「複雑で難しい」という選挙のイメージを少し、払拭(ふっしょく)できた。

 案内のかたわら、投票を行う有権者の姿を真剣に見つめた五十嵐さん。来年度は自分も有権者になる。「自分が投票所に立つことで、若い世代にも選挙への関心を広めることができるかもしれない。若い世代に投票所に足を運んでほしい」。選挙権を行使する若者の姿に思いをはせた。