「浮動票」取り込み全力 自民・組織戦展開、野党・世代別戦術

 

 第25回参院選(投開票21日)は13日、後半戦に入る。福島選挙区では、自民党現職で元少子化担当相の森雅子(54)、無所属新人で元県議の水野さち子(57)、政治団体「NHKから国民を守る党」の新人で会社社長の田山雅仁(35)の3候補が街頭演説を重ねるなど、支持拡大を図ってきた。各陣営は後半戦でも「大物弁士」を迎えるなど、無党派層を中心とした浮動票の取り込みに全力を挙げる構えだ。

 森候補は約10カ所で個人演説会を開き、遊説では精力的に街頭に立ち、元少子化担当相としての実績や政権与党の実効力を訴えてきた。自民は福島選挙区を「激戦区」に指定。4日の公示日に安倍晋三首相(総裁)が福島、郡山両市で演説したほか、個人演説会に多くの閣僚経験者らを投入、てこ入れを図っている。

 陣営は後半戦で農業、建設業、商工業など約140団体でつくる支援・友好団体を核に引き続き組織戦を展開、組織末端までの支持浸透に力を入れる考えだ。衆院小選挙区単位に設けた選対本部や自民県連の各支部、自民所属の国会議員、県議らの後援会を軸に集票を徹底。推薦する公明党の協力も受ける。

 水野候補は知名度アップへ遊説を繰り返し、県内を一巡した。12日までに約40カ所で街頭演説し、10カ所で個人演説会を開いた。選挙運動期間中に県内の旧90市町村で1回以上の街頭演説を予定しており、後半はペースをさらに速める。

 野党共闘で水野候補を支援する国民民主、立憲民主、社民、共産各党は票固めと与党の批判票の取り込みを図っている。公示後、国民の玉木雄一郎代表が衆院福島1区内、立民の枝野幸男代表が南会津町、共産の志位和夫委員長が郡山市入りした。陣営は若年層に会員制交流サイト(SNS)の活用、主婦層に商業施設での街頭演説、高齢者には電話や口コミでの浸透など世代別の戦術を取る。

 田山候補はSNSや動画投稿サイトで浸透を図る戦いを繰り広げている。