「政策」期待!新時代へ確かな一歩を 参院選、足元の課題に目

 
買い物客らに投票を呼び掛けた街頭活動

 「夢が現実になる施策を」「将来のことを考えられる人に期待したい」。令和初の国政選挙となった今回の参院選は、新時代をいかに築いていくのかも問われている。一方で本県は震災復興の途上で、足元の課題に目が向く人も多い。喫緊の課題を解決し、未来に向けて確かな一歩を踏み出せるような政策提案を有権者は望んでいる。

 「果物王国ふくしま」を代表する果樹園が広がる福島市飯坂地区では若い世代の後継者が少なく、高齢化などで管理されていない「放任園」も増えている。

 サクランボとモモを栽培する同市の果樹農家、男性(46)は「10年、20年先を考えると、特産品の果樹はどうなってしまうのか心配だ。農家の後継者支援に力を注いでほしい」と提案する。

 農業は後継者不足のほかに、震災後の風評払拭(ふっしょく)も課題だ。風評は同じ1次産業の水産業でも根強い。いわき市の儀助漁業社長の男性(46)は「風評は減ってきているのは事実。さらに払拭されるよう、国が先頭に立って対策に取り組んでほしい」と話す。

 被災地では、医療人材の不足も深刻だ。南相馬市では小児科医が少なく、子どもの夜間入院を受け入れる病院がない。同市の女性(72)は、市内に住む4歳のひ孫に万が一のことがないかと憂う。「子どもと親が安心して暮らせるよう、医師不足の解消策に期待したい」と話した。

 一方で、インターネットなどの新技術の活用を促す声も上がる。郡山市の会計コンサルタント、男性(30)はクラウド会計を活用、時間や場所を選ばずに仕事ができる環境づくりに取り組む。その経験から「生活スタイルに合わせた多様な働き方ができる社会になれば」と提起する。

 年間約30万人の観光客が訪れる会津若松市の七日町通りの観光案内所に勤める女性(38)が気になるのは、観光振興策だ。飛躍的に伸びるインバウンド(訪日外国人旅行)で東北は出遅れているとされている。荒川さんは標識や案内パンフレットの多言語化の必要性を指摘し「年間100万人の夢が現実になるような施策を求めたい」と語った。

 積極的な投票を街頭で呼び掛け

 参院選の投開票日を1週間後に控えた14日、県選管は県内各地で街頭啓発活動を展開し、有権者に積極的な投票を呼び掛けた。

 郡山市のイオンタウン郡山店では、県選管県中地方事務局や市選管、学生ボランティアなど約20人が参加。買い物に訪れた家族連れや若者らにポケットティッシュなどを手渡し「投票お願いします」と声を掛けた。