「10代有権者」未来の自分託す1票 参院選、学生の視点で投票

「投票で自分の意思を示した」。21日の投開票に向けて舌戦が続く第25回参院選で17日、福島市の福島大と三春町の田村高に期日前投票所が設けられ、10代の有権者らが1票を投じた。奨学金の充実や就職支援策といった学生ならではの視点、自分たちが親世代になったときの心配事など自らの思いを1票に託していた。
教育、就職支援に期待
【福島大】「投票で自分の意思を示すことは大切」。福島大共生システム理工学類2年の橋本勇輝さん(19)は、付属図書館に開設された投票所で投票した。これまでの選挙でも権利を行使した橋本さん。今回は奨学金制度の充実など教育政策を重視したという。
福島大の投票所は、福島市選管が17、18日の2日間の日程で開設。授業の合間や昼休みを利用して学生らが投票に訪れた。
投票立会人も、若者に投票を身近に感じてもらう活動に取り組む「福大Voteプロジェクト」のメンバーらが担当した。立会人を務めた行政政策学類3年の池田柚花さん(21)は「奨学金の充実や就職支援、景気回復など若い世代のためになる政策を期待している」と新議員に求めた。
「18歳」重み実感
【田村高】三春町の田村高の期日前投票所では、選挙権を得たばかりの18歳の生徒が初めての投票に臨んだ。
同校3年の鈴木涼太さん(18)=同町=は「選挙報道や世論調査を参考にして投票先を考えた。いざ政治に関わると思うと、自分の1票は大きいと感じた」と話した。
投票所は、昨年の知事選に続き、校内の同窓会館に三春町選管が設けた。
子育て政策『重視』
【只見高】只見町の只見高では17日、参院選の模擬投票が行われ、生徒たちが実際の投票に備えた。これまで学校の授業で事前学習を進め、候補者の公約や政策を分析してきた。同校3年の目黒佳祐(けいすけ)さん(18)は、候補者の共通点の多さに悩んだというが「幼児虐待などの悲惨な事件が多い。子育て分野の政策で投票を決めたい」と考えを述べた。
「10代の投票率」17年衆院選39%
「18歳選挙権」は2016年の前回参院選で初めて適用され、17年衆院選に続いて今回が3回目の国政選挙。本県の10代の投票率は16年参院選が41.39%で、17年衆院選は39.26%と低下した。
年代別の投票率は、16年参院選で18歳が46.78%で19歳が35.80%。17年衆院選は、18歳が49.97%で19歳は27.96%だった。
18歳選挙権は、若者の意見をより政治に反映させるのが目的。16年6月に選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられた。
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