現職・森雅子氏、女性対決制す 福島選挙区、水野氏に大差3選

第25回参院選は21日、投開票された。現職と新人の女性候補2氏による事実上の与野党対決の構図となった福島選挙区(改選数1)は、自民党現職で元少子化担当相の森雅子氏(54)が大差で3選を果たした。
森氏は徹底した組織戦を展開し、再選を果たした前々回2013(平成25)年の48万票に迫る44万5547票を獲得。自民党は前回16(平成28)年参院選で野党統一候補に敗れたが、選挙区での議席を維持した。
国民民主党を離党して野党統一候補として支持拡大を図った無所属新人で元県議の水野さち子氏(57)は34万5001票にとどまり、議席奪還はならなかった。政治団体「NHKから国民を守る党」の新人田山雅仁氏(35)は3万3326票にとどまった。
野党支持層にも浸透
知名度や実績で勝る現職の森氏を擁した自民党は支持基盤をまとめた。安倍政権への安定した支持率を背景に野党支持層の一部にも食い込み、前回2016年参院選の再現を狙った立憲民主、国民民主、共産、社民4党による野党共闘の挑戦を退けた。
自民は党本部が福島選挙区を含め11選挙区を「激戦区」に指定。公示前、森氏苦戦もささやかれたが、現職閣僚を擁して3年前に苦杯をなめた県連は約140に上る支援・友好団体を総動員。公示日に安倍晋三首相が本県入りしたほか、公明党との連携も機能、現職閣僚なども県内で次々とマイクを握り、組織力と安定感をアピールした。
森氏は復興や子育て支援など元少子化担当相としての実績や与党の実行力を強調し、票を確実に積み重ねた。本社が選挙戦中盤に行った世論調査では衆院小選挙区別の5地域全てで森氏がリード。陣営は終盤、復興には政治の安定が必要だとの声を一層強め、勝利を揺るぎないものとした。
一方、野党は統一候補として県議2期の水野氏を擁立。老後資金2000万円問題を巡る年金制度の検証や10月に迫った消費税増税の中止などの政策を掲げた。しかし与党との対立軸を鮮明に打ち出す陣営の戦略は、公示3カ月前と遅れた出馬表明と初の国政選挙となった水野氏の知名度不足を挽回するまでに至らず、52.41%と低水準だった投票率も無党派層浸透に力を入れていた陣営の誤算となった。
田山氏は独自の選挙戦を展開したが支持は広がらなかった。
◇福島選挙区開票結果(改選数1、選管最終、敬称略)
当445,547 森 雅子 54 自民現
345,001 水野さち子 57 無所属新
33,326 田山 雅仁 35 諸派新
- 「参院選」18・19歳投票率10ポイント減 選挙離れ浮き彫りに
- 森雅子氏「しっかりと復興実現」 福島県関係議員3人が初登院
- 代表空席...県議選後まで 国民福島県連、小熊・瓜生両代行運営
- 国民民主・増子輝彦氏、県連代表辞任へ 後任に小熊慎司氏推薦
- 水野さち子氏「今後は総合的判断」 参院選・福島選挙区で落選
- 森雅子氏に当選証書「国政の場で頑張る」 参院選・福島選挙区
- 【参院選・激戦の裏側】野党求心力低下 旧民進分裂...敗因の一つ
- 【データで見る参院選】森氏勝利「52市町村」 票伸ばす大票田
- 【データで見る参院選】女性からの支持に差 森氏勝利の要因に
- 【参院選・激戦の裏側】自民、野党共闘に雪辱 危機感で引き締め