野党統一・水野さち子氏...知名度に差「声を国政届けたかった」

 
敗戦の弁を述べ、肩を落とす水野さん=21日午後8時30分、福島市本内の選挙事務所

 自民党現職候補の壁は想像以上に高く、厚かった。野党統一候補として前回2016(平成28)年参院選の再現を狙ったが、水野さち子さんの下に吉報は届かず、涙をのんだ。

 涙で始まった選挙戦だった。公示日の4日、第一声の会場となった福島市で旧知の友人と再会した。初の国政選挙の緊張で身を硬くしていた中、懐かしさが込み上げて涙が頬を伝った。遊説で県民の悩みや将来への不安を聞く度に、期待に応えたいという気持ちが強くなり「国政で『ならぬものはならぬ』と訴え続ける」と演説で声を枯らした。

 自らを「普通のおばさん」と称するからこそ、消費税増税の中止や年金制度の検証、経済政策の転換など有権者に身近な政策を訴え続けてきた。野党共闘を追い風にして「反自公」の受け皿になることを目指したが、最後まで出馬表明の遅れを挽回できず、知名度の差を埋められなかった。

 相手候補の「当選確実」の情報が伝わると、福島市の選挙事務所は重苦しい雰囲気に包まれた。水野さんは「17日間で寄せられた声を国政に届けたかった。私の不徳の致すこところです」と頭を下げ、これまでの支援への感謝を口にした。

吉報届かず支持者落胆 水野さんの福島市の選挙事務所に吉報は届かず、詰めかけた支持者らは落胆で静まりかえった。

 総合選対本部長で国民民主党幹事長代行・県連代表の増子輝彦参院議員、選対本部幹事長の小熊慎司衆院議員がこれまでの支援に感謝し、支持者に頭を下げた。