福島選挙区当選者・森雅子氏に聞く 「福島の新しい姿つくる」

 
もり・まさこ いわき市出身。東北大法学部卒。2007(平成19)年7月の参院選で初当選し、12年12月に少子化担当相に就任。自民党では女性活躍推進本部長、総務副会長などを歴任。

 21日に投開票された参院選福島選挙区で3選を果たした自民党現職の森雅子氏(54)は福島民友新聞社のインタビューに「福島の新しい姿をつくりたい」と述べ、復興の加速化や人口減少対策に取り組む決意を語った。(聞き手・執行役員編集局長 小野広司)

 ―野党統一候補との事実上の一騎打ちを制した。
 「手応えが全然つかめず、とにかく厳しい戦いだった。ただ、自分が出馬すると言った以上はどんなに不安でも毎日、前に進むしかなく、支援者の皆さんを信じて戦った。(当選は)支援者の皆さんのおかげ」

 ―3選を果たし、県民の期待にどう応えていくか。
 「公約では復興の前進、生活の安心、復興のその先の未来の三つを約束した。県民の反応はそれぞれ違い、政策に期待している方がそれぞれいるので、きめ細かく取り組む。また東日本大震災の経験を踏まえ、本県には防災関連のビジネスや0歳児教育のポテンシャル(潜在能力)もあると思っており、福島の新しい姿をつくっていきたい」

 ―自民党東日本大震災復興加速化本部が8月にも復興の8次提言をまとめる。復興を肌で感じられるような政策をどう盛り込むか。
 「県内を歩いて感じたのは、復興の進み具合と県民の受け取り方が多様化していること。帰還できない地域もあれば、復興の次のステージを見据える地域もある。一つの政策で皆が復興を実感できるわけではなく、多様なところに目配りすることが重要で、地元の要望を入れ込みたい。また、シンボル的な存在があると県民の気分は明るくなる。その一つが復興五輪。福島をアピールしていきたい」

 ―人口減少対策も急務。元少子化担当相として少子化対策にどう取り組むか。
 「これも一つの政策では解決せず、きめ細かな政策が重要。そのためには少子化担当相の権限を強化すること。予算権限や司令塔機能が必要だ。また自民党内に人口減少対策の部会をつくり、幅広く総合的な視点で議論することも大切。女性活躍推進で女性の働き手が増え、待機児童も増える。課題に取り組み続けるには財源が必要で、大臣の権限強化で政策の優先順位を上げていかなければならない」

 ―雇用確保など県内に人を呼び込む政策も大切だ。
 「東京一極集中を是正する政策の一つとして県内での雇用確保があるが、人口減少対策として見れば教育など全ての分野を通して考えていく部門が国に必要。人口減少対策に関する議員連盟の提言として、責任を持って総合的な政策を展開する必要性を申し入れたい」

 ―10月に消費税増税を控える中、不安の声もある。十分な説明が必要だ。
 「軽減税率など、8%に上げたときの反省も踏まえて対策を打っていくことに尽きる。選挙期間中も不安だという声を聞いた。幼児教育の無償化や国土強靱(きょうじん)化など、増税の使い道をきちんと説明し、透明性を確保していくことも大事だ」