【データで見る参院選】女性からの支持に差 森氏勝利の要因に

 

 第25回参院選(改選数1)の福島選挙区では女性候補2人、男性候補1人の計3人が選挙戦を繰り広げた。事実上、与野党対決の構図となり、現職の自民女性候補が野党統一の女性候補を下して3選を果たした。比例代表の本県関係候補は明暗が分かれた格好だ。県内で各党がしのぎを削った参院選をデータで分析した。

 森氏、国民・社民支持層に食い込む

 【出口調査】共同通信社の出口調査から福島選挙区の男女別投票行動を見ると、男性は森氏49.1%、水野氏47.9%と支持傾向に大きな差はなかったものの、女性は森氏60.6%、水野氏37.3%と差が開き、森氏が勝利した要因の一つになったとみられる。

 年代別では、10~60代と70歳以上の全てで森氏が水野氏を上回った。森氏は各年代とも5割以上の支持を集めた。水野氏は40代以上で森氏との差が比較的小さく、70歳以上では約7ポイントとわずかの差だった。

 政党支持別から投票行動を見ると、森氏は自民支持層の9割弱、推薦を受けた公明支持層の約7割の支持を固めて、社民支持層の3割弱、国民民主支持層の2割弱にも食い込み、水野氏に10万票の差をつける得票につながったとみられる。

 水野氏は野党共闘で連携した国民民主支持層の約8割、立憲民主支持層の9割弱、共産支持層の9割弱をまとめたが、社民支持層は7割を割り込んだ。

 無党派層では森氏が4割強、水野氏が5割強で、水野氏が浸透した。

 最多得票は若松氏

 【候補者名投票】今回の参院選の比例代表は本県関係で自民、公明、日本維新の会から各1人の3人が立候補し、自民、公明の現職2人が当選した。

 参院選比例代表は、党名と候補者名のどちらでも投票でき、候補者名の票数で名簿順が決まる「非拘束名簿式」が採用されており、候補者は氏名で投票してもらおうと県内外で有権者に呼び掛けた。

 3人のうち、最多得票は公明現職の若松謙維氏の34万2356票で、公明と個人名を合わせた政党得票総数653万6336票の5.2%を占めた。当選した自民現職の佐藤正久氏の23万7432票で続き、落選した維新現職の山口和之氏は4万2231票だった。

 自民上昇「38.2%」

 【政党別得票率】比例代表の得票率は、自民が38.2%とトップで、前回2016年の33.8%から4.4ポイント上昇した。

 立憲民主が13.6%で続き、公明12.8%、国民民主12.1%、共産8.0%、日本維新の会5.3%、れいわ新選組4.0%、社民3.0%、NHKから国民を守る党1.8%だった。

 前回は、民進が自民に続く28.3%で、公明11.0%、共産10.5%、新党改革5.2%、おおさか維新の会3.4%、社民3.2%だった。