今夏参院選、岩城氏が比例出馬へ 福島選挙区断念、保守分裂を回避

 
岩城光英氏

 今夏の参院選で、元職の岩城光英氏(72)は24日、自民党公認候補として比例代表に立候補する意向を固めた。同日、自民党関係者から打診を受け、了承した。自民の参院議員を3期務めた岩城氏は当初、離党した上で無所属で福島選挙区(改選数1)に出馬する意向を示していた。自民が県医師会副会長の新人星北斗氏(58)を公認候補として擁立する中、保守分裂選挙は回避される見通しとなった。

 岩城氏は24日、準会員として所属する自民最大派閥、安倍派会長の安倍晋三元首相らから比例への出馬の打診を受けた。その後、いわき市で開いた連合後援会役員会で協議し、受け入れを決断。岩城氏は福島民友新聞社の取材に「候補者一本化へ向けた党の意向を受け入れた。福島の復興、地方創生のために仕事をしたい」と述べた。

 福島選挙区を巡り、自民内では、遠藤利明選対委員長をはじめ、県連や所属派閥から岩城氏に候補者一本化に向けた辞退の要請があった。比例代表では党内規で定める「70歳定年制」があるが、調整が難航する中で候補者乱立が予想される選挙区の状況なども考慮されたとみられる。

 岩城氏は26日に予定していた福島選挙区からの出馬会見を延期し、比例候補予定者として党公認が正式決定した後に記者会見する方針。今後は党を含めた支援態勢の調整が進む見通し。岩城氏は「離党への抵抗はあった。党公認で出馬できれば支援者にも迷惑を掛けずに済む」とし、「気持ちを新たに選挙を戦いたい」と話した。

 福島選挙区を巡っては星氏に加え、現職の増子輝彦氏(74)=3期=が4選を目指し無所属で立候補する意思を固めているほか、フリーアナウンサーの小野寺彰子氏(43)が立憲民主と社民、国民民主の各党県連と県議会第2会派の県民連合、連合福島で構成する「5者協議会」の支援を受ける形で無所属での立候補を表明している。

 また比例代表の本県関係では、日本維新の会公認で元職山口和之氏(65)=1期、共産党公認で現職岩渕友氏(45)=1期=が出馬する予定だ。