星氏陣営組織戦加速、小野寺氏陣営SNS活用 参院選前哨戦

 
集会で気勢を上げる星氏(右)と岸田首相=5日午後、郡山市(写真上)ゲストと共にフェイスブックによるライブ配信に臨む小野寺氏(右)=4日午後、郡山市

 「22日公示―7月10日投票」が有力視される参院選。福島選挙区(改選数1)には新人4人が立候補を予定している。自民党公認の星北斗氏(58)=公明党推薦=と、事実上の野党統一候補となる無所属の小野寺彰子氏(43)=立憲民主党推薦=による激戦が予想される中、両陣営はそれぞれの戦術で前哨戦に挑んでいる。

 自民党総裁でもある岸田文雄首相が本県入りした5日午後、星陣営は郡山市で女性と医療関係者ら計約1400人を集めた二つの集会を開いた。「子どもを地域ぐるみで育てる環境をつくる」。県医師会副会長を長く務めた星氏は、医療体制の充実や地域活性化への思いを熱く語った。

 就任以来5度目の来県となった首相は、本県復興に向けた取り組みに加え、新型コロナウイルス感染症や物価高騰対策など直面する課題に触れ「党が自信と誇りを持った立候補予定者。皆さんの力で押し上げていただきたい」と訴えた。陣営も新人の星氏を「即戦力」として支持を求める。

 県連は約140の支援・友好団体と共に組織戦を敷く。星氏は22の総支部単位で県内を3巡後、衆院選挙区単位で4巡目の訪問に入り、知名度向上を図る。元職の比例代表出馬による党内の組織体制の整備と、公明党との選挙協力により「全ての土壌が整った」と自民県連の西山尚利幹事長。「ここから相乗効果を発揮し、動きを加速させたい」と意気込む。

 「皆さんの不安を解消できるよう経験を生かして活動していきたい」。4日、郡山市の貸しイベントスペースにはラジオパーソナリティー人生の"集大成"に臨む小野寺氏の姿があった。

 フェイスブックを活用したライブ配信で、小野寺氏は柔らかな語り口で決意を表明した。ゲストや視聴者の悩み、生活の課題について意見を交わし「地域みんなで子育てできる環境が大切」と考えを発信した。「一人一人に寄り添って話を聞き、答えを出せるようにしたい」。参院選に向け、顔の見えないラジオでは難しかった「顔を知ってもらう」ための活動に注力する。

 野党側の動きは、立民に続いて国民民主党も小野寺氏を推薦する見通しで、社民党は県連レベルでの推薦を決めた。共産党は擁立見送りを表明し、野党統一候補としての土台は整った。それだけに「若い世代の代表として、無党派層に認知されるのがポイント」と立民県連の高橋秀樹幹事長。若者らへの浸透を重視し、従来の戦術に加え、交流サイト(SNS)などを活用した選挙戦を思い描く。

 ほかに2人出馬予定

 福島選挙区にはこのほかNHK党公認の元山形県米沢市議皆川真紀子氏(52)、政治団体「参政党」公認の会社社長窪山紗和子氏(47)が立候補を予定している。