【参院選・福島選挙区候補者アンケート(上)】物価対策など争点

 

 新人5人の争いとなっている参院選福島選挙区。7月10日の投開票を前に、福島民友新聞社は各候補者にアンケートを実施した。今回の参院選の争点について、自民党公認の元県医師会副会長星北斗候補(58)=公明党推薦=は「国民生活の安定」、無所属のフリーアナウンサー小野寺彰子候補(43)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=は「物価高対策」を挙げた。NHK党公認の元山形県米沢市議皆川真紀子候補(52)は「政府・与党、既存政党への評価」、政治団体「参政党」公認の会社社長窪山紗和子候補(47)は「コロナを含む政府の情報開示」とし、無所属の元養護教諭佐藤早苗候補(62)は「争うことは分断になる」として明示しなかった。5候補の考えを2回に分けて紹介する。

 4候補「評価しない」

 【物価高対策】政府の対応について、星候補はさまざまな制約がある中で必要な対策を講じているとして「評価する」とした一方、他の4候補はいずれも「評価しない」とした。

 小野寺候補は「トリガー条項の発動をはじめとする原油価格の高騰への対策、食料や肥料価格などへの対策などが早急に必要」と指摘。皆川候補は「庶民の生活を考えていない」、窪山候補は「現金給付や補助金の繰り返し」として、減税の必要性を訴えた。佐藤候補は「ウクライナ対応など物価が高騰しない努力を全くしていない」と批判した。

 「評価する」1「しない」3

 【ロシア問題】政府の対応について、星候補は「評価する」とした一方、皆川、窪山、佐藤の3候補は「評価しない」とした。小野寺候補は「どちらとも言えない」を選択した。

 星候補は「現時点で取り得る最大のメッセージを出している」とした上で「世界の安定のために日本が果たすべき役割について国民的な議論が必要」と指摘。小野寺候補は「ロシアへの制裁強化やウクライナへの物資供与などは評価する」としたものの「ロシアに影響力を持つ中国への積極的・戦略的な働きかけが必要」とした。

 皆川候補は「いかなる場合でも中立的な立場を貫くべきだ」、窪山候補は「両国の肩を持たずに国益を考えた立場を貫くべきだ」、佐藤候補は「日本がリーダーとなって仲裁し、平和に導いてほしい」と政府に注文を付けた。

 意見に隔たり

 【憲法改正】星候補は「賛成」、小野寺候補と佐藤候補は「反対」、皆川候補と窪山候補は「どちらとも言えない」とした。

 理由について、星候補は「基本原理は堅持しつつ、国民の幅広い理解を得て実現すべきだ」、小野寺候補は「改憲ありきの議論は慎重であるべきだ」とした。一方で、社会の変化に対応していく必要があるとの認識は両候補とも一致している。

 皆川候補は「議論は必要と考える」、窪山候補は「伝統や習慣を鑑みた『創憲』が必要」と指摘。佐藤候補は「天皇と国民を守っている」と堅持を求めた。

 賛否分かれる

 【夫婦別姓】選択的夫婦別姓について、皆川、小野寺両候補は「賛成」、佐藤、星両候補は「反対」、窪山候補は「個人の自由」として「その他」と回答した。

 小野寺候補は「個性が生かされる環境、仕組みが大切。多様化に合わせた制度の変化を進めていく」とした。星候補は「通称の使用が普及しており、明確な別姓のメリットが見当たらない」と理由を挙げた。

 最高は75点 3候補50点 1候補0点

 【コロナ対策】政府の新型コロナウイルス対策について、星候補は「75点」、皆川、小野寺、佐藤の3候補は「50点」とする一方、窪山候補は厳しく「0点」とした。

 星候補は「いくつか問題はあったが、短期間で検査・入院・予防接種を行う体制をつくった」と評価。小野寺候補は「ワクチン調達やまん延防止等重点措置の発動など、総じて後手に回った。説明が不十分で国民生活に混乱を招いた」と批判した。

 ただ、今後の経済対策の進め方については「ワクチンや治療薬の動向、重症化リスクを正しく判断しながら」(星候補)、「感染状況の適切な把握が最も重要。再拡大を想定して万全の体制を」(小野寺候補)とほぼ同様の認識を示した。

 皆川、窪山、佐藤の3候補は、現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザの危険度である「5類」への引き下げを提案。星候補も「今後は検討すべきだ」とした。

 与党候補が85点、他は軒並み低く

 【政権の評価】星候補が「85点」と最も高く、皆川、小野寺両候補は「50点」、佐藤候補は「30点」、窪山候補は「10点」と軒並み低評価だった。

 星候補は「多くの意見を聞きながら適時適切な判断による政権運営をしている」と評価。一方、小野寺候補は「課題山積の中、対応のぶれや遅れが多くあった」と批判した。

 皆川候補は「コロナ対策の不備」、窪山候補は「長く生き残るための政権運営」、佐藤候補は「米国に合わせたロシアへの制裁は嘆かわしい」と理由を挙げた。

参院選・福島選挙区候補者アンケート