若者、薄れる関心 参院選、福島大の学生団体「目線合わせて」
第26回参院選で、10日の投開票に向け各候補者が遊説を繰り広げる中、福島大の学生からは「若者の関心は低い」との声も漏れる。選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられ、県内では5度目となった今回の国政選挙。学生は、もっと若者に目線を合わせた公約や選挙運動を望んでいる。
「社会や政治への関心が薄れている」。福島大の学生団体「福大Voteプロジェクト」で代表を務める渋谷奈旺(なお)さん(20)は「若者の政治離れ」を感じている。友人との会話で政治などの話題が出ないことが主な理由だ。
同団体は若者への選挙啓発を目的に2016(平成28)年に学生有志で結成された。福島市選管と小学校での模擬投票などに取り組むが、投票率向上は道半ばだ。19年7月の第25回参院選では、19歳の投票率は25.32%にとどまった。
「友人と政治や社会について気軽に話せるコミュニティーがほしい」。メンバーの関谷康太さん(20)は、学校などで政治を教えてくれる機会が少ないと感じている。「選挙結果だけを報じるのではなく、選挙結果がもたらす社会への効果や政治の仕組みがもっと知りたい」と述べる井上桜さん(18)は、選挙報道の在り方にも注文を付けた。
若者の関心を高めるにはどうすればいいのか。渋谷さんは、候補者が分かりやすい言葉を使い、若者の目に留まりやすいSNS(交流サイト)で公約を発信することなどが重要だと指摘する。同団体はツイッターやインスタグラムで政治や社会に関する投稿数を増やすとともに、今回の参院選では、各候補者の情報を発信するような新たな取り組みも考えている。「候補者の学歴や職歴、公約などが分からないと選挙に行かないと思う」。渋谷さんは、候補者と有権者の距離が縮まるような発信の方策を模索している。
メンバーの加藤彩花さん(19)は、昨年の福島市長選で人生初の1票を投じた。「開票速報を見て、自分の1票がその中に含まれていると実感し、社会に興味を持つようになった」。まず投票に行くという行動を起こす。それが政治や社会に関心を持つ一歩だと感じている。
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