舌戦、ラストサンデー 参院選、支持者・無党派層に政策訴え

 
猛暑の中、候補者の街頭演説に聞き入る有権者ら

 10日投開票の参院選は3日、公示後最後の日曜を迎えた。新人5人が立候補している福島選挙区(改選数1)で、事実上の一騎打ちを繰り広げている自民党公認の元県医師会副会長星北斗候補(58)=公明党推薦=はいわき市、無所属のフリーアナウンサー小野寺彰子候補(43)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=は県南地方でそれぞれ遊説。記録的な暑さが続く中、ラストサンデーに熱い舌戦を繰り広げた。

 いわき市では公示後初めての本格的な遊説となった星候補。勿来、小名浜、常磐、内郷、平の旧5市を中心に計11カ所で街頭演説し、内郷では自民支持者に医療関係者や公明支持者らも含めた個人演説会に臨んだ。

 小名浜のショッピングモールでの街頭演説では、地域医療の充実やなりわいを次世代につなぐ対策、地域で子育てを楽しむ環境づくりなどの政策を訴え「地域の未来のために仕事をさせていただきたい」と強調。若者や家族連れでにぎわう中、集まった支持者に加え、海沿いを散策途中に足を止める人の姿も見られた。

 陣営は無党派層への浸透を強く意識する一方、街頭では、福島選挙区から比例に回った同市を地盤とする元職や、選挙協力を結ぶ公明公認の比例候補の名前を挙げるなど、組織固めへの配慮もにじむ。地元選対本部長代行の矢吹貢一県議は「組織一丸で選挙戦に臨む態勢が構築できている。終盤戦にかけて票を積み上げ、何としても議席奪還を果たしたい」と意気込んだ。

 小野寺候補は白河市や矢祭、塙、棚倉の各町などで遊説。山間部にも選挙カーを走らせ、8回の街頭演説、2回の個人演説会で支持を呼びかけた。

 街頭演説では、支援者と言葉を交わしながら一人一人とグータッチ。「年金が下がり、賃金が上がらないから格差が広がる。今の政治は生活する人が見えてない。生活者の声を聴くことが求められている」と現政権を批判し、その上で「農業の担い手不足の解消に保障制度の構築が必要だ」などと問題点を指摘、政治変革の必要性を訴えた。「『政治は生活』との信条が物価高という時流に合致し、県民に浸透してきた」と総合選対本部幹事長の亀岡義尚県議は手応えを語る。

 午後の演説には、県南を地盤とする総合選対本部最高顧問の玄葉光一郎衆院議員が合流。「(自民候補を)猛追している。聴く力と伝える力を持ち、皆さんの暮らしを知る小野寺候補の最後の追い込みに協力してほしい」と終盤戦へ後押しした。

 NHK党公認の元山形県米沢市議皆川真紀子候補(52)は福島市で党幹部と共に街頭演説。政治団体「参政党」公認の会社社長窪山紗和子候補(47)、無所属の元養護教諭佐藤早苗候補(62)も各地で支持を訴えた。

参院選福島選挙区の立候補者