個人名で、党名で...集票追い込み 参院選、福島県在住の比例4候補

 
岩城光英候補、山口和之候補、岩渕友候補、丸本由美子候補(右から政党・団体の公示前勢力順)

 第26回参院選は、10日の投開票まで残り2日となった。新人5人が立候補している福島選挙区に加え、比例代表に立候補した自民党公認の元職岩城光英候補(72)=3期、いわき市、日本維新の会公認の元職山口和之候補(66)=1期、郡山市、いずれも共産党公認で現職の岩渕友候補(45)=1期、福島市、新人の元須賀川市議丸本由美子候補(59)=須賀川市=の本県在住4人も支持を訴えている。党名だけでなく、個人名での投票が結果を左右するだけに、主戦場となる本県での集票へ追い込みをかける。

 岩城氏は地元最重点

 「地元で支持を集め、勢いに乗ることが重要だ」。岩城陣営の清水良祐後援会連合会長・選対幹事長は語気を強める。地盤のいわき市を最重点地区とし、15万票を掲げる県内得票目標の大部分の獲得を狙う。1日に同市で開いた総決起大会では福島選挙区に立候補している自民公認候補と壇上に上がり、共闘を訴えた。

 自民からは比例代表に33人が立候補しており、個人名での投票が党内での争いを左右する。公示直後から、福島選挙区で戦った6年前の後援会名簿を基に、電話で支持を訴え続ける陣営。幹部は「手応えを徐々に感じている。最後まで、候補者の名前の記入を訴えたい」と6年前に失った議席の奪還を目指す。

 来院者に山口氏訴え

 「病院の職員で、比例代表で立候補しています。医療や介護、子育てを頑張ります」。4日朝、山口候補の姿は総合南東北病院(郡山市)にあった。施設周辺で来院者に声をかけながらチラシを配布し、知名度の向上に汗を流した。

 「街頭でマイクを握るより、医療や介護に関心がある病院の利用者に訴えかけた方が届きやすい」と山口候補。チラシの配布に加え、知人に電話やメールで支持を訴えたり、商業施設を巡るなどして集票を図る。

 得票目標は県内外で計6万票で、そのうち県内では2万票以上の獲得を目指す。「いかに支持者に個人名で書いてもらえるか」。山口候補もまた、党内での争いを念頭に置く。

 共産5議席確保狙う

 一方、現職の岩渕候補、新人の丸本候補の2人を擁立した共産は、党名での投票を重視する。岩渕候補を含む比例での現有5議席確保が最重要課題。北関東以北を巡る岩渕候補が県内不在の間、丸本候補が「比例は共産党へ」と訴える。

 県内での得票目標10万票に向けて支持者や無党派層のほか、処理水の海洋放出方針への反対票の獲得をにらむ。選挙期間中は志位和夫委員長ら党幹部も本県入りし、集票を後押しした。

 公示後の岩渕候補の本県入りは5日程度で、4日には郡山市や会津若松市などで遊説し、物価高対策としての消費税減税を訴えた。町田和史県委員長は「もうひと頑張りすれば、5議席に手が届く」と見据えた。