安倍元首相銃撃、福島選挙区にも影響大きく 演説中止など相次ぐ
参院選選挙期間中の安倍晋三元首相銃撃を受け、自民党県連の西山尚利幹事長は8日正午過ぎ、福島市の党県連事務所に駆け付け、対応に追われた。午後5時ごろからは県連幹部が集まり、報道を注視しながら対応を協議した。会議中だった午後5時46分、安倍氏の死去が報じられると、幹部らは一様に悲しみに打ちひしがれた。会議後に記者会見に臨んだ西山幹事長は「『福島の復興なくして日本の再生なし』と尽力していただいたことに感謝しかない。思いを継ぎ、責任を持って復興をしっかり前に進めていくことが、弔意を表せるただ一つの道だ」と声を詰まらせた。
福島選挙区で党公認の星北斗候補(58)は同日午後、JR郡山駅前で岸田文雄首相が応援に入っての街頭演説を予定していたが中止した。本宮市と二本松市での個人演説会も取りやめ、安倍氏の死去を受け午後6時で遊説を打ち切った。
郡山駅前では党関係者らが演説の準備を慌ただしく取りやめる姿が見られ、予定時間になると選対幹部が「首相の街頭演説は諸般の事情により中止させていただきます」と呼びかけた。
福島選挙区の他の候補も対応に追われた。無所属のフリーアナウンサー小野寺彰子候補(43)の陣営は安倍氏が遊説中に銃撃されたとの情報を受け、昼ごろに遊説中止を決定。推薦を受ける立憲民主党幹部の応援を得て会津若松市で開催予定だった個人演説会や、電話での投票依頼を含めた選挙活動も全て見合わせた。
NHK党公認の元山形県米沢市議の皆川真紀子候補(52)は、約10カ所で予定していた街頭演説を急きょ取りやめた。
政治団体「参政党」公認の会社社長窪山紗和子候補(47)は予定通り活動し、JR郡山駅前で街頭演説を行った。
無所属の元養護教諭佐藤早苗候補(62)は、街頭での演説を行わず選挙カーでの訴えのみに切り替える対応を取った。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、比例代表の党公認候補者応援のため、福島市のJR福島駅東口前で予定していた街頭演説を急きょ取りやめた。午後1時前に本県入りした玉木氏は「暴力による言論の封殺を行う者の思うつぼになってしまう部分もあるが、これまでと同じような活動は正直難しい」と支援者に演説中止へ理解を求めた。
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