浪江「大堀焼」の伝統と新時代...白河から発信 錨屋窯の山田さん

 
「大堀相馬焼の伝統を今の時代に合わせて伝えていきたい」と話す山田さん

 「景色のいい南湖のそばで、大堀相馬焼の伝統を今の時代に合わせて伝えていきたい」。浪江町に伝わる大堀相馬焼錨屋(いかりや)窯代表の山田慎一さん(51)は同町大堀地区から約75キロ離れた白河市で焼き物の魅力を広めている。

 山田さんは2011年の震災を受け東京都に避難した後、白河市に移住。二本松市や県外の工房の協力を得て大堀相馬焼を作り続け、13年に白河市大信地区に仮設の工房を構えた。その後、南湖付近に住んでいたことなどが縁で昨年11月、南湖のそばに工房をオープンさせた。

 「焼き物を身近なものとして感じてほしい」と工房に販売スペースを設置し、体験教室も開いている。白河市近辺に伝わる1800年ごろに制作されていたとされる焼き物「白河焼」の再現も目指し、粘土の採掘や研究も行っている。

 山田さんは「大堀相馬焼が受け継がれていく方法も探していきたい」と人材育成にも力を入れ、地域おこし協力隊として大堀相馬焼の製法を学び、現在は同窯や西郷村の松永窯で職人として制作に当たっている吉田直弘さん(26)らに技術を伝承している。

 山田さんは「震災で窯元や職人が減ってしまった。白河をはじめ県内外に大堀相馬焼の魅力を発信し、後世に伝えていきたい」と話した。