自ら整備...新地「海のみえる」植物園、10年区切り 71歳園主退く

 
園内のモッコウバラに手を伸ばす荒さん。「最後まで普段通り迎えたい」と話した

 新地町の植物園「海のみえるガーデン花木山」を整備し、10年余り管理を続けてきた荒正治さん(71)が園主を退く。これにより、同園は6月30日でいったん閉園となる。荒さんは「ここで多くの人と出会い、話をしてきたことが私にとって大きな財産になった」と感謝する。今後、宮城県内の女性が園を引き継ぎ、再開園させる予定だが、時期は未定。

 同園は、バラに魅せられた荒さんが57歳で病院の事務職員を早期退職して整備。3年間準備を重ね、2011(平成23)年にオープンした。

 見どころは多種多様なバラで、約110種類200株以上ある。敷地は雄大な太平洋を見晴らす鹿狼山登山口にあり、晴れ渡れば、行き交うフェリーの姿がくっきりと見え、はるか沖には金華山(宮城県)も望める。

 荒さんは妻のとし子さんと、植物の手入れを一年中欠かさず、園を切り盛りしてきた。バラが盛りになる時期は、早朝から園を巡って、咲き終わりそうな花を摘み取り、来場者を迎えた。閉園後は園内の草刈りに追われた。

 「開園当初から、10年を区切りに閉めようと思っていた」と荒さん。周囲に思いを打ち明けると、宮城県の女性から、園を引き継ぎたいと申し出があったという。「誰も引き受ける人がいなければ、土地を所有者に返そうと思っていた。だが、続けてくれる人がいてほっとした」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 同園では今年も、バラが咲き始めた。25日~6月20日ごろ、見頃を迎えるという。「3月の地震で被害も受けたが、何とか復旧できた。精いっぱいバラの手入れをして、最後まで普段通りみんなを迎えたい」と荒さんは話した。

 同園は常磐道新地インターチェンジから車で約5分の新地町杉目字飯樋50。開園時間は午前9時半~午後4時。不定休。入園料は大人300円、中学生100円。問い合わせは同園(電話090・2846・7183)へ。

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