兄の遺志継ぎ喫茶店「いちょう並木」再開、妹が新たな一歩、福島

 
「お客さんが安心できるお店でありたい」と語る純子さん

 福島市森合の喫茶店「いちょう並木」は約1年間の休業を経て、4月に営業を再開した。店主の江川一郎さんの死去に伴い休業していたが、妹の純子さん(52)が店を引き継ぎ、再出発した。純子さんは「37年続いた店の歴史を引き継いでいきたい。昔の雰囲気と変わらず、お客さんが安心できる店でありたい」と笑顔を見せる。

 オープンは1984(昭和59)年7月。近くにある県立美術館の開館に合わせて営業を始めた。当初は両親と一郎さんが切り盛りし、5年ほど前から一郎さんが1人で喫茶店を経営。純子さんは忙しい時間帯に手伝っていたという。

 別れは突然だった。昨年5月、一郎さんが急逝した。一郎さんからは生前に「店を継いでほしい」と打ち明けられていたことや、閉店を惜しむ常連客の声などを受け、純子さんは店を継ぐことを決意。今年1月に事務の仕事を退職し、本格的に営業再開の準備を進めてきた。

 店のコーヒーは蒸気圧を利用して入れる「サイフォン式」。「兄のような味を出せるか不安」との思いもあったが、一郎さんのコーヒーの味を思い出しながら、その味に近づけるよう試行錯誤を重ねた。また店舗内を改装したり、新たなメニューを考案したりした。

 再開初日の4月15日には、常連客から「また店を開いてくれてありがとう」と感謝されたという。「ありがたかった。店を開いて良かった」。純子さんは喜びをかみしめる。

 店は多くの地域住民に長年親しまれてきた憩いの場。「来店したお客さんにまた足を運んでもらえるよう、こつこつ頑張る」。営業再開を喜んでくれる常連客の笑顔が純子さんの力となっている。

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 営業時間は午前11時~午後6時。不定休。問い合わせは同店(電話024・531・9331)へ。