「までい」な創作料理の店に、南相馬に吉川夫妻「MADY」開店

 
創作料理のレストランをオープンした未来さん(右)と晃さん

 南相馬市原町区に3月、創作料理のレストラン「MADY(マディ)」がオープンした。店を切り盛りするのは吉川未来(みき)さん(27)と夫の晃さん(27)。家族連れや恋人同士が落ち着いて過ごせる空間を提供しようと、日々奮闘している。2人は「また来たいと思ってもらえるような店にしたい」と意気込む。

 浪江町出身の未来さんは、大学進学に伴い埼玉県で生活を始めた。飲食店経営を目指すきっかけとなったのが、川越市の飲食店でのアルバイトだ。店の利益よりも、細かな気配りを通した接客や客との関わりを大事にする姿勢に引かれ、飲食店経営に興味を持った。

 南相馬市を開業の地に選んだ理由は、未来さんが子どもの頃からなじみ深い土地だったからだ。浪江町に住んでいたが、習い事や買い物などで頻繁に南相馬市に足を運んでいた。また、東京電力福島第1原発事故後は避難に伴い実家が浪江町から南相馬市に移ったこともあり、南相馬市が生活の拠点になっていた。

 一方、夫の晃さんは埼玉県出身で大学時代に未来さんと出会った。大学卒業後はシステムエンジニア(SE)の仕事をしていたが、未来さんが地元で飲食店をやりたいという夢を応援するため、会社を退職し、自分も料理の修業を積んだ。「元々物を作ったりするのが好きだった。料理はSEの仕事と似ているし、抵抗はなかった。妻の支えになりたい」と語る。

 マディという店名は「丁寧な」「手間暇惜しまず」などを意味する方言「までい」から取った。店の方針も丁寧な接客を目指していることからそう名付けた。店では地元の野菜を中心に使った料理を提供しており、「バーニャカウダ」をはじめ、「豚肩ロースやわらか煮」、「マグロのレアグリル」などが人気だ。

 未来さんは「営業中に、お客さんから『こういうお店を待っていた』といった声をもらえた。少しずつ店のファンを増やしたい」と話し、地域に根付いた店を目指す。