語り継ぐ山岳遭難 白河高生ら犠牲、創立100周年実行委が慰霊誌

 
慰霊の記念誌「星六つ」を手に「遭難の記憶を風化させない」との思いを新たにする大岡さん(中央)ら編集委員

 白河高創立100周年記念事業実行委員会は、1955(昭和30)年に山岳部の6人が犠牲となった甲子山遭難と、79年にパキスタンで同窓生や教員ら6人が亡くなったヒンデュー・クシュ(ヒンズークシ山脈)遭難を後世に伝えようと、貴重な資料を集めた慰霊の記念誌「星六つ」を発刊した。編集委員は「二つの遭難から歳月が流れ、全体像を知る人が少なくなった。今の生徒たちに記念誌を読んでもらい、語り継いでほしい」と願っている。

 記念誌は1章「甲子山遭難」、2章「1979年ヒンデュー・クシュ登山遭難の記録」、3章「中国チベット慰霊登山」からなる。

 1章では遭難の記録をはじめ、福島民友新聞社が犠牲になった6人にささげる歌を募集して福島市出身の作曲家古関裕而が作曲した「あゝ遭難の白高生」の発表会の記事、古関直筆の譜面の写真などを掲載した。

 生還者へのインタビューや、部員たちが当時どのようなルートをたどったのかを検証した記事もある。

 2章では遭難の状況や捜索活動、遭難した同窓生や教員らの横顔などを紹介している。3章には慰霊登山隊の概要などを記した。

 元同校教員で編集委員長の大岡清一さんは「甲子山遭難の聴取調査書の完全原稿も載せることができた」と意義を説いた上で「何が起きたのか真実を知ってほしい、その一心で編集に当たった。遭難の記憶を風化させることなく、しっかりとつないでいくとの思いを改めて心に刻んだ」と記念誌に込めた思いを語った。

 OBで編集委員の久保木政行さんは「これまで知られていなかった貴重な資料を集められた。多くの人たちの思いが込められた一冊になった」と話し、同じく編集委員の三森一男さんは「遭難を今後150年、200年と伝えていかなければならない。編集に加わって良かった」と振り返った。