奮闘...20歳の女性消防士・菅野さん、伊達本部初、次は救助隊員に

 
(写真右)女性の視点を大切にしながら「一人の消防士として活躍したい」と意気込む菅野さん、(同左)救助隊員を目指し訓練に励む菅野さん

 桑折町出身で伊達地方消防本部の菅野乃愛(のあ)さん(20)=中央消防署予防係=は、同本部初のとして日々奮闘している。東日本大震災をきっかけに消防士に興味を持ち、念願かない2年前から働き始めた。将来は「県内初の女性救助隊員になりたい」と意気込む。

 普段は男性隊員とともに訓練に励み、同じメニューをこなす。男性でも大変な訓練にも決して音を上げたりはしない。「消防士は男女の区別なく、個人の能力を生かして活躍できる仕事」と信じているからだ。

 懸命に人命救助にあたる消防士に憧れた。震災当時は、小学3年生。混乱の中、目の前で活動する消防士の姿が目に焼き付いた。中学生の職場体験で消防士の仕事を体験。「女性でも消防士になれる」と知り、憧れはさらに強くなった。登下校の時に消防署の前を通り、訓練に励む消防士の姿を眺めていたこともあった。気が付けば「地元で消防士になる」という思いが大きくなっていた。

 高校を卒業し、県消防学校に入校。女性の同期は3人と少なかったが、夢の実現に向けて訓練や勉強に励んだ。配属後は火災や救急など幅広い分野で実務経験を積み、半年間の研修を受けて今春、特別救助隊の資格を取得した。「一日も早く現場に出たい」。6月には、福島市で開かれた県消防救助技術大会にも出場した。

 同僚たちも菅野さんの将来に期待を寄せる。「現場での活動や職場環境の改善など、女性ならではの視点で積極的に意見を出してほしい」と同消防本部総務課の佐藤弘二主幹。県内には救命士として活躍する女性消防士はいるが、消防車を運転したり、救助隊員として活動する隊員はまだ少ないという。

 消防士という夢をかなえた菅野さんが次に目指すのは、事故や災害などの最前線で人命救助にあたる救助隊員になることだ。「女性の視点を大切にしながらも、『女性消防士』という枠にとらわれず、一人の消防士として活躍したい」。強い信念で人命と向き合っていく。