野馬懸神事で再現したい...御水取りの井戸修繕、南相馬・日鷲神社

 
「野馬追が少しでも盛り上がれば」と話す西山宮司(左)。右は松本会長

 相双地方の国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」で、南相馬市小高区の日鷲(ひわし)神社は、神事「野馬懸(のまかけ)」に使う御神水(おみたらし)をくんでいたとされる同神社の井戸を修繕した。3年ぶりに通常開催される野馬追(23~25日)を控え、西山典友宮司(69)は「旧来の形に近づけ、伝統行事を少しでも盛り上げたい」と期待を口にする。

 馬にひきずられたり振り落とされたりするため大けがも考えられる野馬懸で、御神水はけがをした部分にかけると傷が治ると伝えられている。同神社によると、かつては野馬懸の会場となる同市小高区の相馬小高神社と日鷲神社からくんだ水を合わせる神事「御水取りの儀」を行い、御神水に使っていた。しかし、1931(昭和6)年を最後にこれが途絶え、現在まで相馬小高神社の御神水のみが使われるようになったという。

 日鷲神社は3月の本県沖を震源とする地震で境内の鳥居が破損。西山宮司は「壊れた鳥居の石を有効に使って、当時の井戸の姿を再現できないか」と考え、使われていなかった井戸を社(やしろ)風に修繕、17日に完成した。

 「井戸の修繕も一つの復興の姿」と西山宮司。小高郷騎馬会の松本充弘会長(75)は「いつかは両神社の水を使って、史実に基づいた神事を再現してみたい」と語った。