富岡移住支援、元広告代理店マンの香中さん 経験生かし町職員に

富岡町の新しい町づくりに力添えし、町のにぎわいを取り戻したい―。元博報堂社員の香中峰秋(かなか・みねあき)さん(60)は4月から富岡町のまちづくり会社「とみおかプラス」の事務局長として移住定住支援に当たっている。広告代理店で培った経験と知見を生かし、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興創生をサポートしていく。
香中さんは埼玉県熊谷市出身。高校まで地元で過ごし、筑波大卒業後、博報堂に就職した。東京を拠点に広告やマーケティング業などに携わった。東日本大震災では社内の復興プロジェクトに関わり、岩手県や宮城県に足しげく通ったという。2014年に東北博報堂に異動。風評被害に苦しむ本県産農作物のPR事業などに携わってきた。東北博報堂では社長も務めた。
博報堂を今年3月に退職した。老後を考え、神奈川県平塚市にマンションを購入しており、妻治子さん(57)と湘南ライフを満喫する予定だった。そんな時、内閣府の地方創生人材支援制度で富岡町が職員を募集していることを知った。東北での仕事も経験してきたが、唯一、浜通りの復興支援には関われていなかった。機会があれば直接関わりたいと思っていただけに「運命だと思った」と迷わず応募した。
町企画課に配属され、とみおかプラスに出向している。東京や大阪などに出張して町の魅力を伝えるイベントに参加したり、移住定住施策を成功させている自治体と意見交換をしたりと精力的に活動している。仕事内容や環境はこれまでと大きく異なるが、香中さんは「新しいものを生み出し、多くの人に喜んでもらう点では広告代理店もまちづくりも変わらない」と話す。
還暦を迎えての新たな挑戦。香中さんは「ちょっとやそっとではへこたれない。にぎやかな町をつくり、多くの人の喜ぶ顔を見たい」と力強く語った。
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