長期履修制度の希望者倍増 いわき短大、多様な学生の要求に対応

 
幼児教育について学ぶ小峰さん。長期履修で得た3年目を介護士資格への準備に使うつもりだ=いわき短大

 短大などで追加学費なしで履修期間を延長できる長期履修制度へのニーズが高まる中、いわき短大(いわき市)では、導入2年目で希望者が11人と、昨年度の5人から倍増した。時間的余裕や専門的な学習、アルバイトなど多様化する学生の要求に応える学びのスタイルとして注目される。

 「通信制の高校に通っていたため、学習速度に不安があった」。今春から同短大幼児教育科に通う菅原花音さん(18)は入学時に同制度の活用を希望した。同短大では、履修期間を2年間から3年間に延長でき、学費は同じ。

 いわき短大が専門とする幼児教育分野では認定こども園が増えており、就労には保育士と幼稚園教諭の2資格が必要だ。2年間で両方を取得するには4年制大学の3年分に相当する100単位近くの取得が求められる。学生の保護者が不安に思い制度利用を勧めるケースも多く、希望者が増えた要因とみられる。

 同短大では利用者が1年経過後、そのまま3年間で卒業するか通常の2年間に戻すかを選択できる。「制度があったから安心して入学できた」という菅原さんは、2年間で卒業を目指すつもりだ。

 一方、幼児教育科2年の小峰正資さん(19)は当初の予定通り3年間での卒業を選択。保育士を志し、2年間で必要な単位は取り終える見込みだが、子どもがけがした際や障害がある子に対応するため介護士の資格を取るという目標がある。3年生で系列の東日本国際大の講義を受け、同大への編入を目指すつもりだ。当初は短大で時間的余裕を持って学ぶために選択した制度だが、編入準備に充てる。小峰さんは「心の余裕があるのは大きい。長期履修制度を必要とする人は今後もいると思う」と語った。

 「時代に合った教育をしたい」

 いわき短大の中山哲志学長(69)に長期履修制度導入の狙いなどを聞いた。
 ―制度導入の経緯は。

 「短大の2年という期間を不安に思う学生や充実した時間を過ごしたい、専門的に学びたいという学生もいる。さまざまな学びの形に応えようと導入した」

 ―ニーズは高まっている。

 「問い合わせが爆発的に増えている。当初は希望者がいるか不安があった。今後の推移を見ていく必要はあるが、ニーズは感じる」

 ―課題と見通しは。

 「導入2年目のため利用する学生の成果を見ながら判断したいが、意義は感じている。少子化の中で選ばれるため、時代に合った教育を実現していきたい」
220722nk-topic2.jpg                    長期履修制度導入について語る中山学長